2014 Fiscal Year Research-status Report
肝移植における肝炎ウィルス再発に対するテーラーメード治療
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24591876
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
臼井 正信 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10378341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 和史 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (60378370)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 肝移植 / 肝炎ウィルス / テーラーメード治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
HBV関連肝疾患に対する生体肝移植後のB型肝炎再発予防は,術後HB免疫グロブリン(HBIG)と核酸アナログ製剤の投与により一定のコンセンサスが得られ,HBIGの安全性とその医療費の高さに問題が残り,HBワクチンによるHBIG離脱が最終目的である。2002年3月~2015年3月までに肝移植を受けた初回患者132例中,B型関連疾患16例中,ワクチン接種を開始した14例を対象とし、HBIG離脱群,非理脱群に分け検討した。離脱群のT細胞反応性の検索をHBワクチン導入例の末梢血よりPBMCを分離し,HBs抗原に対するTh1反応について,細胞増殖,TNF-α,IFN-γ産生により検討した。結果として現在生存中の13例では全例で血中HBsAg(-),HBV-DNA(-)でありB型肝炎の再発は認めていない。HBIG離脱群9例,HBIG非離脱群5例であった。HBIG離脱群の内,ワクチンからも離脱できたのが6例であった。2群間比較では,年齢・性・原疾患・ワクチン接種回数・免疫抑制剤trough値に有意差はなく,ワクチン接種開始からの期間のみ離脱例で全例50ヵ月以上であった (p=0.009)。HBIG離脱例のHBs抗原に対するT細胞の反応性は,コントロールと比較しstimulation indexが3.23±1.36と有意に増加しTNF-aおよびIFN-γも高値を示した。この結果、HBIG離脱例では,免疫抑制下でもHBワクチンに対するT細胞の反応が明らかにされ,HBIGからの離脱のためには、50ヵ月以上の粘り強い長期継続HBワクチン接種が重要であるという新しい治験がえられ、今年国内外(日本肝移植研究会・アジア移植学会)で発表予定である。 C型に関しては、C型関連肝移植患者におけるPEG-IFN/RBV治療選択のテーラーメード化の検討として、まずこれまで当科で行ったC型肝硬変および肝癌患者のgenotype, ウィルス量、コア領域やNS5A領域のアミノ酸変異およびIL28遺伝子多型についてレトロスペクテブに検討しSVRとの関係を明らかにし、これまで国内外で発表してきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
B型関連疾患の肝移植に対する、ワクチン療法は順調に進んでおり、これまでの研究で、長期のワクチン接種が重要であることが判明し、発表予定であるが、C型関連疾患の肝移植に関しては、テラプレビル・シメプレビルの発売に伴い、肝移植を必要とする患者さんが減ってきており、これに本年経口剤も発売され、SVR率があがっており、肝移植症例が減ってきているのが現状です。
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Strategy for Future Research Activity |
B型肝硬変、肝癌肝移植患者における術後B型ワクチンの導入を行った患者の末梢血よりPBMCを分離し、その中からT-cellを単離してHBワクチンに対する反応を確認。最終的にはHBワクチンに反応するT-cellを単離しIL-2で増殖させて患者に戻し、ワクチンに対する能動免疫の確立を獲得する。 C型関連肝移植患者におけるPEG-IFN/RBV治療選択のテーラーメード化の検討として、まずこれまで当科で行ったC型肝硬変および肝癌患者のgenotype, ウィルス量、コア領域やNS5A領域のアミノ酸変異およびIL28遺伝子多型についてレトロスペクテブに検討しSVRとの関係を明らかにした後、プロスペクティブにPEG-IFN/RBV治療の選択を行い、SVR率の向上を目指す。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] The long-term effects of splenectomy and subsequent interferon therapy in patients with HCV-related liver cirrhosis.2014
Author(s)
Inagaki Y, Sugimoto K, Shiraki K, Tameda M, Kusagawa S, Nojiri K, Ogura S, Yamamoto N, Takei Y, Ito M, Mizuno S, Usui M, Sakurai H, Isaji S.
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Journal Title
Mol Med Rep.
Volume: 9
Pages: 487-492
DOI
Peer Reviewed / Open Access