2013 Fiscal Year Research-status Report
MFG-E8をターゲットとした手術侵襲後炎症性生体反応の制御
Project/Area Number |
24591891
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
松田 明久 日本医科大学, 医学部, 助教 (00366741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松谷 毅 日本医科大学, 医学部, 講師 (50366712)
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Keywords | 手術侵襲 / MFG-E8 / 術後感染症 |
Research Abstract |
消化器手術後感染症は術後在院期間の延長・医療費の増大のみならず,ときに致死的となり得るためその治療および予防は外科医にとって最重要課題である。術後感染症の抑制には生体防御反応のさらなる解明およびその制御が不可避であり,その発症原因である手術 侵襲後の過剰な炎症性生体反応にMFG-E8の産生低下に起因する貪食細胞の機能低下およびアポトーシス細胞の蓄積が深く関与していることが予想される。 そこで本研究では,(1) マウス手術侵襲モデルを作成し,外科的侵襲後の内因性MFG-E8産生の変動,障害臓器へのアポトーシス細胞の蓄積,そして侵襲後炎症性生体反応への関与,また,これらに対する外因性MFG-E8の投与効果を分子生物学的手法を用い検討する。 (2) MFG-E8による外科的侵襲後の過剰な炎症性生体反応の抑制効果が,アポトーシス細胞に対する貪食機能増強作用に由来することを,ex vivoの実験系を確立し直接的に証明する。 という実験計画の元,研究を開始した。 平成25年度は,平成24年度に継続して上述のマウス手術侵襲モデル(全肝虚血後70%肝切除モデル)の作成を行い,手術手技の安定化が得られたため,本モデルによる上記仮説の証明データを蓄積しつつある。また,実際のヒト臨床血液検体を用い,周術期におけるMFG-E8の変動を測定し,実臨床においても上記仮説が成立することの証明を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度より継続して,極めて手技的難度の高い本マウス手術侵襲モデル(全肝虚血後70%肝切除モデル)の作成に時間を要したため,若干の達成度に遅れを認めているが,現在は,その安定したモデルにてデータを集積中である。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の動物モデルにより消化器手術後感染症へのMFG-E8の関与およびその機序を明らかにし,ヒト臨床においても周術期炎症性生体反応の多寡および消化器手術後感染症にMFG-E8産生の変動が関与をしていることを見出すことを目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前述の如く,実験動物モデルの作成・安定化に時間を要したために主支出目的であったウエスタンブロット,定量的PCR,ELISA関連器具・キット購入の多くが次年度に持ち越されたため。 マウス手術侵襲(全肝虚血後70%肝切除モデル)の臓器障害におけるMFG-E8の関与とその外的投与による効果を検討するために必要な消耗品(実験動物,ウエスタンブロット,定量的PCR,ELISA関連器具・キット)およびヒト臨床血液検体におけるMFG-E8関連蛋白測定のためのELISAキットの購入に使用する予定である。
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