2012 Fiscal Year Research-status Report
上皮間葉移行(EMT)阻害による高度悪性甲状腺癌に対する治療法の開発
Project/Area Number |
24591897
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
菊森 豊根 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90402635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 猛 中部大学, 付置研究所, 教授 (10043324)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 甲状腺癌 / EMT |
Research Abstract |
甲状腺癌の多くは悪性度が低く、遠隔転移の頻度もきわめて低く局所療法のみで良好な予後が期待できる乳頭癌が占めている。しかし、一方低分化癌は局所再発を繰り返し、遠隔転移を比較的来しやすい。また乳頭癌、濾胞癌を素地として発生した未分化癌はきわめて悪性であり、急速な転帰をたどることが多い。甲状腺低分化癌、未分化癌に対して有効な抗癌剤は臨床応用されておらず、治療の選択肢がきわめて限られるのが現状である。種々の治療法が検討されてきているが、臨床応用に至った例は皆無である。 平成24年度の研究実績としては、悪性度が高いことが示唆される、局所再発を来した甲状腺乳頭癌の臨床病理学的検討を行った。性別、高齢、肉眼的非治癒切除が予後と関連していることが示された。一方、がん遺伝子であるBFAFの特異的変異のV600Eの臨床検体における検討で、腫瘍部において特異的変異が有意に多く検出され、さらに、この研究課題である上皮間葉移行(epithelial mesenchymal transition:EMT)に関連するとされるvimentinの発現が上昇していること、および甲状腺癌細胞株においてBRAF V600EのmRNAの発現をsiRNAにより抑制することによりvimentinの発現が抑制されることを以前報告した。現在さらに過去の臨床検体を多数用いてEMTと関連するとされるvimentinをはじめとするタンパクの発現を免疫染色により評価し、予後との関連を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
甲状腺培養細胞株におけるEMT関連の遺伝子発現の検討は以前報告したが、それらの発現に対するheat shock protein (HSP)阻害剤である17-AAGの影響を検討することが未達成である。また動物実験においては甲状腺細胞株をヌードマウスに移植することが未達成であり、その動物モデルを用いた17-AAGの移植腫瘍の浸潤能、遠隔転移能の検討が未達成である。理由としては臨床業務量の増大により、当該研究に割り当てられるエフォートが当初計画していたより低下したためと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
甲状腺培養細胞株におけるEMT関連の遺伝子発現の検討は以前報告したが、それらの発現に対するheat shock protein (HSP)阻害剤である17-AAGの影響を検討することを早急に実施する。また動物実験においては甲状腺細胞株をヌードマウスに移植する方法を確立する。その動物モデルを用いた17-AAGの移植腫瘍の浸潤能、遠隔転移能の検討を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に達成できなかった、甲状腺癌細胞株に対する、17-AAGの効果を検討するための試薬、検査キットなどの購入に使用する。またヌードマウスに腫瘍形成を促進させるマトリゲルなどの試薬の購入にに充てる。
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Research Products
(2 results)