2012 Fiscal Year Research-status Report
乳癌治療における間質反応とエネルギー代謝に関する研究
Project/Area Number |
24591900
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上野 貴之 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40452362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉江 知治 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70335264)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 乳癌 / エネルギー代謝 / 間質 / 化学内分泌療法 / 抗HER2療法 |
Research Abstract |
術前化学内分泌療法・術前抗HER2療法+化学療法の解析として、術前化学内分泌療法(アロマターゼ阻害剤+エンドキサン)前後での組織(40症例分)が収集済みであり、さらに術前抗HER2療法+化学療法前後での組織(もともと60症例分)をさらに収集し(計80症例分)、下記の解析を行った。 化学内分泌療法による細胞死の態様(オートファジー、アポトーシスなど)・増殖能の評価としてオートファジー関連蛋白であるbeclin1, LC IIIの免疫染色を自動免疫染色装置(Ventana HXシステム)を用い行った。またアポトーシスに関して、サイトケラチン18のカスペース分解産物を認識するM30抗体(Roche)と、TUNEL法を用いて染色を行った。増殖能についてはKi67を用いて免疫染色を行った。現在、それぞれの態様の治療前後での変化や相関性、さらには乳癌細胞のみでなく、間質細胞における発現、治療による変化を検討しており、癌細胞の細胞死の態様や治療効果との関連の他、治療抵抗性との関連につき検討を進めている。結果については、その一部である細胞死の態様と治療効果に関して、アメリカ臨床腫瘍学会(ASCO)において発表を予定している(採択)。さらに、乳癌幹細胞と化学内分泌療法、術前抗HER2療法+化学療法との関連を調べるため、乳癌幹細胞のマーカーと考えられているCD44、CD24、ALDH1を用いて免疫染色を行っており、治療反応性や細胞死の態様との関連につき解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床試験における組織の収集は予定通り進んだ。免疫染色について、細胞死の態様と増殖能について予定通り進んでいる。免疫細胞、内皮細胞と、幹細胞、微小環境に関しては、現在進行中である。今後成果の一部をアメリカ腫瘍学会で発表予定(採択)としている。
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Strategy for Future Research Activity |
組織収集は順調に進んでいるが、免疫染色を行うにあたり、染色の条件検討と解析・評価方法が問題となりうる。染色の条件検討は、一般に汎用されている条件を論文等で検討して行うと共に、病院の病理部と相談しながら効率よく進めている。また、評価方法についても、染色率のみでなく染色強度の評価を行うなど、多面的に捕らえることにより、様々な角度から検討可能な評価を行い、また病理部と相談しながら解析効率を上げていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
免疫染色用抗体に80万円を見込み、自動染色装置の管理・維持費に10万円、学会発表のための旅費に20万円、その他の雑費に10万円を予定している。
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