2014 Fiscal Year Research-status Report
肺癌に関わるmiRNAクラスターの標的遺伝子群の同定と肺癌発症機構の解析
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24591905
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大内田 守 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (80213635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 佐智夫 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30335624)
岡 剛史 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50160651)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | microRNA / 標的遺伝子 / 肺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺癌では、microRNA(miRNA)のクラスターmiR-17-92の過剰発現が発癌に関わることが報告されているが、その標的遺伝子群に対する相互作用はほとんど解明されていない。申請者らは、これまでmiRNAの標的遺伝子の新規同定技術の開発を行っており、このmiRNAの標的遺伝子の同定技術を用いて、肺癌に関わるmiRNAの標的遺伝子群の同定を進めている。 肺癌細胞13株を用いて、miR-19aの発現量を検討した。その中で、最もmiR-19a高発現肺癌細胞と低発現肺癌細胞株を選んで、miR-19a mimic RNAおよびアンチセンスmiR-19a LNA(Locked Nucleic Acid)を導入し、確かにmiR-19aが細胞増殖の促進に関わる事、miR-19a量の変動に伴い新規標的遺伝子の蛋白質が変動する事を確認した。昨年度までに絞り込んだmiR-19aの新規標的遺伝子4種のcDNA発現ベクターを作成し、miR-19a高発現肺癌細胞と低発現肺癌細胞株にTransient Transfectionにより遺伝子導入を行った。そのTransientな遺伝子導入細胞を用いて、細胞増殖能、コロニー形成能に及ぼすmiR-19aの標的遺伝子の効果・影響を検討した。その結果、新規標的遺伝子の導入はコロニー形成を抑制する事が明らかになった。しかし、細胞の遺伝子導入効率が非常に悪くTransient Transfection系では評価が難しいので、G418選択することにより、安定したcDNA発現ベクター導入株を単離し、遺伝子導入株を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新規に見出したmiR-19aの標的遺伝子のcDNAをTransientに細胞に導入し細胞のコロニー形成能を検討したところ、標的候補遺伝子を導入すると癌細胞のコロニー形成が阻害される事が確認されたが、遺伝子導入効率が悪かった。そこでG418選択することにより安定したcDNA発現ベクター導入株を単離し解析することにしたが、確実に遺伝子が入った細胞を樹立するのに時間がかかり、細胞株を用いた解析が遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
樹立したmiR-19a標的遺伝子cDNA発現ベクター導入肺癌細胞株を用いて、細胞増殖能やコロニー形成能、遊走能、浸潤能に及ぼす標的遺伝子4種の効果を解析し、論文作成と投稿を行なう。
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Causes of Carryover |
安定したcDNA発現ベクター導入株を薬剤抵抗性により選択・単離し解析することにしたが、確実に遺伝子が入った細胞を樹立するのに時間がかかったため、樹立したcDNA導入細胞株を用いた癌細胞増殖やコロニー形成に関わる標的蛋白の作用機序の解析、および、論文投稿を次年度に行なうこととし、未使用額はその経費に充てることとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
樹立したmiR-19a標的遺伝子cDNA発現ベクター導入肺癌細胞株を用いて、細胞増殖能やコロニー形成能、遊走能、浸潤能に及ぼす標的遺伝子4種の効果を解析するための経費、および、論文校正と投稿の為の経費とする計画である。
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Research Products
(2 results)