2013 Fiscal Year Research-status Report
マイクロRNAを用いたトリプルネガティブ乳癌に対する新規治療薬の開発
Project/Area Number |
24591916
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
遠山 竜也 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30315882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉本 信保 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10551244)
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Keywords | miR-210 / 乳癌 |
Research Abstract |
本研究は、エストロゲン・レセプター(ER)陰性・プロゲステロン・レセプター(PgR)陰性・HER2陰性の、いわゆるトリプルネガティブ乳癌において、特徴的に高発現している低酸素関連「マイクロRNA」に着目し、トリプルネガティブ乳癌に対する新規治療薬の開発を目指した研究である。具体的には、低酸素関連「マイクロRNA(miR)-210」をノックダウンしたTN乳癌に化学療法を行うことにより、化学療法抵抗性のトリプルネガティブ乳癌に対する化学療法感受性の増強、すなわち、化学療法増感薬としての「miR-210ノックダウン療法」の意義について検討する。 現在までの研究状況であるが、乳癌組織161例(トリプルネガティブ乳癌58例、ER陽性HER2陰性103例)から抽出したRNAを用いて、乳癌組織におけるmiR-210発現を検討したところ、トリプルネガティブ乳癌におけるmiR-210発現は、ER陽性HER2陰性乳癌と比較して有意に高く、トリプルネガティブ乳癌乳癌におけるmiR-210高発現症例は低発現症例と比較して予後不良であった。さらに、miR-210はトリプルネガティブ乳癌において独立した予後不良因子であることが示された。 次に、トリプルネガティブ乳癌細胞株を用いて、異なる酸素濃度(0.2-20%)におけるmiR-210発現および関連因子の解析を進めているがまだ十分なデータが得られていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
乳癌組織を用いた実験は概ね予定通り施行したが、トリプルネガティブ乳癌細胞株を用いた研究が予備実験の段階であり、まだ十分なデータが得られていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
乳癌組織を用いた検討は概ね終了したため、今後はトリプルネガティブ乳癌細胞株を用いて、低酸素環境におけるmiR-210の機能について解明したい。さらには、ヌードマウスを用いたXenograftモデルにより、トリプルネガティブ乳癌細胞に対するmiR-210ノックダウンの抗腫瘍効果(化学療法への相乗効果)について解析することを目標とする。 具体的には、トリプルネガティブ乳癌細胞株を用いたmiR-210の標的遺伝子候補の解析、トリプルネガティブ乳癌細胞株を用いた細胞増殖能アッセイ・細胞周期および細胞死の解析、さらには、Xenograftモデルを用いた検討:①ヌードマウスへ移植したトリプルネガティブ乳癌細胞株におけるmiR-210発現状況の検討、②mi-210高発現のトリプルネガティブ乳癌細胞に対するmiR-210ノックダウンの検討を進めていきたい。
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