2013 Fiscal Year Research-status Report
ICG蛍光血管造影法による新たな腸管血流評価法の確立
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24591938
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
神谷 欣志 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (20324361)
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Keywords | 食道癌 / 下咽頭・頚部食道癌 / 遊離空腸再建 / ICG血管造影 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、臨床症例の解析を行った。浜松医科大学医学部附属病院において、下咽頭・頚部食道癌根治切除術後の遊離空腸再建術を施行し、再建臓器の術中ICG血管造影を行った31例(血流良好群26例、静脈閉塞群5例)とモニタリングフラップによる術後評価を行った18例(血流良好群16例、静脈閉塞群2例)を対象とし、中間輝度到達時間(s) (T1/2max)と臨床経過との関連を検討した。血流良好群と静脈閉塞群のT1/2max (s)は、それぞれ術中評価で5.8 +/- 4.3 vs 16.2 +/- 10.6 (p<0.0020)、3.9 +/- 1.9 vs 7.3 +/- 0.7 (p=0.0269)で、いずれも静脈閉塞群において有意に延長していた。また、それぞれのROC曲線から算出したカットオフ値(術中評価:9.6、術後評価:6.8)により、術中評価では感度80%、特異度92%、術後評価では感度100%、特異度81%でその後の血流障害を検出し得た。 以上より、遊離空腸再建術における周術期(術中、術後)のICG血管造影は、再建腸管の血流障害を鋭敏に判定できるパラメーターとなりうることが示された。 さらに、これらの結果を胸部食道癌切除後、胃管再建術における胃管血流評価にも応用し、現在症例を蓄積し有用性を検討しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度に予定した臨床例での検討は、ほぼ予定通りに進行した。今後、胃管再建、結腸再建例の症例をさらに蓄積し、評価を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
下咽頭癌、食道癌術後の遊離空腸再建、胃管再建、結腸再建について、ICG血管造影による再建臓器血流の客観的血流評価の確立を目指した検討を継続していくとともに、その結果を多面的に評価するため、21ch上部消化管内圧検査を用いた再建臓器の術後機能評価を行う予定である。
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Research Products
(5 results)