2014 Fiscal Year Annual Research Report
ICG蛍光血管造影法による新たな腸管血流評価法の確立
Project/Area Number |
24591938
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
神谷 欣志 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (20324361)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 食道癌 / 下咽頭・頚部食道癌 / 遊離空腸再建 / ICG血管造影 |
Outline of Annual Research Achievements |
ICG血管造影は、優れた視認性により臓器血流評価に対する有用性は広く知られるところとなったが、その客観的評価法は全く確立されていない。本研究の目的は、食道再建の領域においてICG血管造影の客観的評価法を確立することである。下咽頭・頚部食道癌切除後の遊離空腸再建症例を対象とし、術中、術後の血流評価によりICG血管造影による客観的評価法の確立を目指した。 術中評価に関しては、26症例に対して行った30回のICG血管造影(血流良好群25例、静脈閉塞群5例)を対象とし、中間輝度到達時間(T1/2max) (s)を検討した。T1/2maxは有意に静脈閉塞群で延長し、ROC解析によりT1/2maxはICG血管造影における有意な静脈閉塞予測因子であることが示された。以上を論文にまとめ、J Surg Res誌に発表した。(Kamiya K, et al. Quantitative assessment of the free jejunal graft perfusion. J Surg Res. 194(2): 394-9. 2015.) さらに、本年度は術後評価に関する症例の蓄積と解析を行った。25例の術後第1病日(術後12~24時間)におけるICG血管造影によるモニタリングフラップの血流評価では、良好に経過した23例とICG血管造影後(第2病日、第3病日)に腸管壊死を来した2例(壊死群)のT1/2maxはそれぞれ3.9±1.7、7.3±0.7で、壊死群で有意に(p=0.0130)延長していた。術中評価同様、術後評価においてもROC解析によりT1/2maxはICG血管造影における有意な術後腸管壊死予測因子であることが示され、T1/2maxのカットオフ値を6.8sとした場合の感度、特異度はそれぞれ100%、81%であった。 以上より、遊離空腸再建における術中、術後の客観的血流評価法として、ICG血管造影によるT1/2max値は有用な血流評価パラメーターとなりうることが示された。術後評価に関しても論文発表する予定である。
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Research Products
(2 results)