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2012 Fiscal Year Research-status Report

胃癌腹膜播種性転移に対するドラッグデリバリーシステムの開発

Research Project

Project/Area Number 24591941
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

小濱 和貴  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50322649)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 坂井 義治  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60273455)
田畑 泰彦  京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsドラッグデリバリーシステム / ゼラチン / 徐放剤
Research Abstract

本研究は、抗癌剤腹腔内投与におけるdrug delivery systemの開発を主な目的としている。3年間の予定で計画が立てられ、最終的には臨床応用へ向けた製剤の最適化を目標としている。Drug delivery systemの開発にかかわる基礎実験・実験デザインおよび結果の解析・解釈は、研究分担者である京都大学再生医科学研究所教授1人(田畑)と京都大学消化管外科教授1人(坂井)および大学院生1人(郡司周太郎)と協力して行った。
今年度に行った研究の成果については下記のとおりである。
1.Drug delivery systemの開発にかかわる基礎実験の実施にあたり、抗癌剤の担体としてコラーゲンをmicrosphereに加工したものを使用することとした。これに、抗癌剤シスプラチンを膨潤したものを投与薬剤として使用する。この『gelatin microsphere-CDDP (GM-CDDP)』は田畑研究室ですでに研究目的で作成されていたが、抗癌剤の徐放を最適化するために、さまざまな配合条件やmicrosphereの加工条件を検討した。その結果、抗がん剤の徐放に関して最適な条件のGM-CDDPを作成することができた。
2.マウスを用いて、作成した薬剤を腹腔内投与し、その薬物濃度を血液・腹水・腎臓などで経時的に測定、薬物動態を検討した。freeのCDDPと比較して、作成して最適化したGM-CDDPは徐放の効果がある点、腎臓組織での抗がん剤濃度が低い点、低い血中濃度と高い局所濃度が得られる点、などで有用性が示唆された。
3.現在、マウス大腸がん細胞株を用いて腹膜播種モデルを作成し、これを用いてgelatin microsphere(GM)に膨潤させた抗癌剤の抗腫瘍効果を検討している。また、有害事象の低減につながるかどうかも検討している。
上記の成果を、第2回DDS徐放化研究会で発表した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度達成できた点は、おもに以下の3点である。①高濃度で腹腔内局所に長期間滞留し、なおかつ全身の副作用が少ない治療法として、Gelatin microsphere (GM)を担体とする抗癌剤の徐放剤を作製・最適化した②その薬剤の薬物動態を、マウスを用いて検討できた③その抗腫瘍効果と有害事象を検討するマウスを用いた実験については、腹膜播種モデル作製は終了、それを使って効果・有害事象を検討する実験が進行中。
交付申請書に記載した「研究の目的」を3年間で達成するという観点からみれば、おおむね順調に経過しているのではないかと考えている(GM-CDDPの最適化が終了しており、薬物動態も検討され、動物モデルも作製終了している)。ただ、これまで大腸癌細胞を用いた実験が主であったので、今後は胃癌に対する実験も必要であろうと考えられる。また、GM以外の担体でより効率よく徐放化出来たり、抗腫瘍効果が高かったり、有害事象が軽減したりする物質がないかどうか、今後検討していく必要がある。

Strategy for Future Research Activity

先述のとおり、我々はこれまでに、DDSとしてのGM-CDDP(徐放剤)を作製し、その(マウスにおける)薬物動態も検討して、製剤としての最適化を行った。マウスモデルも作製終了し、それを使って現在詳細に抗腫瘍効果を調べている。具体的には、マウスモデルにマウス大腸癌細胞を打ち、その後、腹膜播種モデルとして腹腔内にGM-CDDPないしはFree CDDP、コントロール製剤、などを投与する。抗腫瘍効果と有害事象について検討しているが、これを継続してGM-CDDPの有用性を検討していく。
さらに、今後の方策としては、①GM以外によりよい担体はないか、探索する ②ほかの癌(胃癌など)で同様の効果が得られるのか、評価する ③より腫瘍選択性の高いActive targetingを検討する(癌特異的に発現する物質に対する抗体を担体にconjugateする、など)、以上を今後の研究課題として、研究を進めていくことになると思われる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

今後もマウスを用いた製剤による抗腫瘍効果の実験、安全性の実験、が必要になってくる。また、引き続いて薬物動態のチェックもしていかなければならない。その為の動物購入費や飼育費、プラチナ血中濃度の測定費などが必要である。また、GM以外の担体の有用性を検討したり、癌特異的抗原や受容体に対する抗体を用いて新たな製剤を作製したりしていかなければならない。そのための薬剤費なども必要である。これらは、「次年度使用額」を含めて、翌年度以降に請求する研究費と合わせて研究を遂行していく必要がある。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 消化器癌腹膜播種性転移に対するDDS徐放化を用いた治療法の開発2012

    • Author(s)
      小濱和貴
    • Organizer
      第2回DDS徐放化再生医療研究会
    • Place of Presentation
      京都
    • Year and Date
      20121222-20121222

URL: 

Published: 2014-07-24  

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