2014 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌腹膜播種性転移に対するドラッグデリバリーシステムの開発
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24591941
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小濱 和貴 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (50322649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 義治 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60273455)
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ドラッグデリバリーシステム / ゼラチン / 徐放剤 / 腹膜播種 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、消化器癌の腹膜播種に対する抗がん剤腹腔内投与において、より効果の高いドラッグデリバリーシステムの開発を主な目的としている。3年間の予定で計画が立てられ、最終的には臨床応用へ向けた製剤の最適化を目標としていた。ドラッグデリバリーシステムの開発に関わる基礎実験や実験デザイン、および結果の解析および解釈は、研究分担者である京都大学再生医科学研究所教授(田畑)と京都大学消化管外科教授(坂井)、および大学院生1名と協力して行った。初年度(24年度)には、抗がん剤の徐放剤として“gelatin microsphere-CDDP (GM-CDDP)”を作製し、その最適化を行った。さらにマウスを用いた腹腔内投与実験でその薬物動態を解析し、徐放性や有害事象について検討した。マウス大腸癌細胞株を用いた腹膜播種モデルの作製も24年度中に行った。25年度には、マウスの腹膜播種モデルを用いて、GM-CDDPと徐放化していないCDDPを実験動物に投与し、抗腫瘍効果や有害事象軽減効果を比較した。その結果、我々が作製・最適化したGM-CDDPは、フリーのCDDPと比較して抗腫瘍効果に遜色はないことが分かった。また、有害事象に関しては、腎機能障害の軽減と体重減少の改善が確認された。ここまでの成果を、米国の外科系医学雑誌“Surgery”に投稿し、原著論文として掲載された。最終年度である26年度には、大腸癌細胞株だけでなく他臓器の癌種に対しても同様の実験を行ってきた。また、gelatin microsphereを用いて徐放化する際に、その剤型にもっと工夫を施すことで、初期のバースト(投与直後に薬剤濃度が急上昇する現象)を軽減できないか探索しており、より臨床応用に近い剤型を実現すべく現在も実験を継続中である。
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Research Products
(5 results)