2012 Fiscal Year Research-status Report
食道扁平上皮癌薬剤耐性を規定するmicroRNA―gene pathwayの解明
Project/Area Number |
24591949
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
齋藤 誠哉 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (00594475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 尚子 熊本大学, 医学部附属病院, その他 (20452899)
馬場 祥史 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (20599708)
岩槻 政晃 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 助教 (50452777)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | microRNA / 食道扁平上皮癌 / 個別化治療 / DCF療法 / 術前化学療法 / 生検組織 / PTEN |
Research Abstract |
新たな遺伝子発現調整分子として、癌研究において注目されているmiRNAであるが、癌の薬剤耐性獲得との関連性についても報告されている。当科において食道癌で高発現していることを証明したmiR-21であるが、gemcitabinに対する感受性との関連が報告され、胃癌においては多剤耐性の胃癌細胞株を用いて、miR-15bとmiR-16を過剰発現させると複数の薬剤に対する感受性を亢進させることが分かった。 ≪方法≫2008年6月から2009年10月に治療前生検でリンパ節転移陽性食道扁平上皮癌と診断された40例を対象とし、パラフィン包埋された治療前の生検組織よりtotal RNAを抽出し、症例全例に術前DCF療法を2コース施行し、化学療法の効果判定と生検組織におけるmiRNAの発現を確認した。 ≪結果≫40症例において定量的RT-PCR法にて28種類のmiRNAの発現を確認するとmiR-21, 26aがnon-responder群で高発現していた。詳細にmiR21, 26aの発現を検討したところ、PETにて治療効果判定を行った場合に、non-responder群でその発現が有意に高かった。miR-26aについてはRECISTによる効果判定でもnon-responder群でその発現が有意に高かった。 ≪まとめ≫治療前の生検組織においてmiR-21, -26aの発現量がDCFの効果を予測することを示した。miR-21、26aはともに癌抑制遺伝子PTENを標的遺伝子としており、発現を制御していると報告されている。PTENは薬剤感受性とも関連があり、現在miR-21、26aのPTENに対する発現制御をin vitroで実験中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床検体の生検組織による解析は終了し、現在in vitroでの検証中である。
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Strategy for Future Research Activity |
新規miR-gene pathway の同定と検証 現在in vitroにて研究を進行中であるが、(1) 食道癌株化細胞を用いてluciferase assay を行い、miR-21,26a のbinding を確認する。食道癌株化細胞における発現をreal-time RT-PCR 法で確認する。miR -21, 26aの株化細胞へ強制発現 (pre-miR)、発現抑制 (anti-miR)と 標的遺伝子のsiRNA による発現抑制行い、実際にmiR-21,26aがPTENの標的になり得るかを検証している。 (3) miR 21, 26aの発現を変化させることによって、標的遺伝子PTEN の発現変化や増殖・浸潤能の変化、抗癌剤感 受性変化を確認している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(7 results)