2013 Fiscal Year Research-status Report
消化管がんの増殖・進展におけるリンパ管新生因子の役割
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24591951
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
白石 憲男 大分大学, 医学部, 教授 (20271132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
衛藤 剛 大分大学, 医学部, 講師 (00404369)
平塚 孝宏 大分大学, 医学部, 病院特任助教 (20600886)
猪股 雅史 大分大学, 医学部, 准教授 (60315330)
赤木 智徳 大分大学, 医学部, 助教 (80572007)
北野 正剛 大分大学, 法人本部, 学長 (90169871)
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Keywords | リンパ節転移 / リンパ管侵襲 / 遠隔転移 / 分子生物学的解析 |
Research Abstract |
【はじめに】本研究の目的は、リンパ節転移やリンパ管侵襲の発生機序を解明し、その臨床的意義を明らかにすることである。すなわち、3年の研究期間に、癌の予後因子であるリンパ節転移の機序や遠隔転移の有無とリンパ管新生との関連を分子生物学的手法、免疫組織学的手法、網羅的遺伝子解析、および電子顕微鏡を用いた形態学的手法を用いて解明する。2年目は当教室で研究している胃癌細胞における糖鎖に着目し、リンパ節転移・リンパ管侵襲や遠隔転移に関連する糖鎖研究を行った。【方法】60例の手術標本である胃癌組織および非癌部組織を使用した。組織より抽出した膜タンパク質をBCA法にてタンパク質定量し、cy3で蛍光標識した。糖鎖を認識するレクチンを固層化したレクチンアレイ(GP BioSCIENCES)を使用して糖鎖プロファイリングを解析した。腫瘍部/非癌部のシグナル比を算出し、臨床病理学的因子との関連を検討した。【結果】リンパ節転移陽性症例は、陰性症例に比べ、有意にレクチンMAL、SNA、SSAのシグナル上昇、及びDBA、GSL_I_A4のシグナル低下を認めた。一方、リンパ管侵襲陽性症例では陰性症例に比べ、有意にレクチンMAL、SSA、HHLのシグナル上昇を認めた。また、臨床病理学的因子とレクチンシグナル値を用い、遠隔再発をアウトカムとした解析を行ったところ、GSL_I_A4の低下が有意に無再発生存率の低下に関与していた。【まとめ】胃癌のリンパ節転移およびリンパ管侵襲の存在に有意に相関するレクチンを同定した。このうちMAL、SSAは、リンパ節転移およびリンパ管侵襲の存在いずれにも相関することがわかった。またGSL_I_A4はリンパ管侵襲に有意に相関するとともに、遠隔再発の有意な予測因子であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リンパ節転移やリンパ管侵襲の機序および臨床的意義を明らかにすることを目的とした本研究において、糖鎖解析ツールを用いることができ、胃癌のリンパ節転移・リンパ管侵襲に有意に相関するレクチンを同定することができた。最終年も研究計画に沿って研究遂行を継続する。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究においては、3年の研究期間を予定し、癌の予後因子であるリンパ節転移の機序や遠隔転移とリンパ管新生との関連性を分子生物学的手法、免疫組織学的手法、網羅的遺伝子解析、同定された遺伝子の機能解析、および電子顕微鏡を用いた形態学的手法を用いて解明し、その臨床的意義を明らかにしたいと考えている。本年度は、ヒト大腸癌および胃癌組織を対象とし、リンパ節転移、リンパ管侵襲、遠隔転移に関連するtranscriptome解析を行う。病理学的リンパ節転移の有無やリンパ管侵襲の有無を用いてsortingし、リンパ管新生関連遺伝子の同定とそのmRNAレベルとタンパクレベルでの検証、さらには、機能解析を行う。引き続き、がん組織やリンパ節転移組織におけるリンパ管新生因子の発現に関する検討、リンパ節転移組織を用いたリンパ管新生因子の発現を検討する。3年目においては、動物実験として、ラットの胃壁に胃癌細胞やメラノーマ細胞を移植し所属リンパ管結紮を行うラットリンパ管腫瘍塞栓モデルを確立し、更なる解析を進める予定である。次年度ではリンパ節転移、リンパ管侵襲、遠隔転移に関連するtranscriptome解析および動物実験を行う。胃癌細胞やメラノーマ細胞をラットの胃壁に移植し所属リンパ管結紮するラットリンパ管腫瘍塞栓モデルを確立し、更なる解析を進める予定である。本研究期間である3年の間に、消化管がんの増殖・進展に及ぼすリンパ管新生の役割について解析検討する。
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Research Products
(2 results)