2014 Fiscal Year Annual Research Report
消化管がんの増殖・進展におけるリンパ管新生因子の役割
Project/Area Number |
24591951
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
白石 憲男 大分大学, 医学部, 教授 (20271132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
衛藤 剛 大分大学, 医学部, 講師 (00404369)
平塚 孝宏 大分大学, 医学部, 助教 (20600886)
猪股 雅史 大分大学, 医学部, 教授 (60315330)
赤木 智徳 大分大学, 医学部, 助教 (80572007)
北野 正剛 大分大学, 法人本部, 学長 (90169871)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リンパ節転移 / 術後再発 / 遠隔転移 / 分子生物学的解析 / 糖鎖 |
Outline of Annual Research Achievements |
【はじめに】本研究の目的は,リンパ節転移やリンパ管侵襲の発生機序を解明しその臨床的意義を明らかにすることである。すなわち,3年の研究期間に癌の予後因子であるリンパ節転移の機序や再発・遠隔転移の有無とリンパ管新生との関連を分子生物学的手法,免疫組織学的手法,網羅的遺伝子解析及び電子顕微鏡を用いた形態学的手法を用いて解明する。3年目は前年度に引き続き胃癌細胞における糖鎖に着目し,再発・リンパ節転移・リンパ管侵襲や遠隔転移に関連する糖鎖研究を行った。【方法】60例の手術標本である胃癌組織および非癌部組織を使用した。組織より抽出した膜タンパク質をBCA法にてタンパク質定量し,cy3で蛍光標識した。糖鎖を認識するレクチンを固層化したレクチンアレイ(GP BioSCIENCES)を使用して糖鎖プロファイリングを解析した。腫瘍部/非癌部のシグナル比を算出し,臨床病理学的因子との関連を検討した。【結果】再発症例(19例)は,陰性症例(41例)に比べ有意にレクチンUEA_I,AOL,AAL,BPL,EELのシグナル上昇及びLCA,MAL_I,SNA,TJA-1のシグナル低下を認めた。この60例の臨書病理学的因子をもとに再発に関連する因子の解析を行なった。結果は,リンパ節転移の有無,BPLシグナルレベルが再発規定因子であり,BPLがhigh levelはlowと比べrelative riskが5.310(1.086-25.957)であった。【まとめ】胃癌のリンパ節転移を含む再発の有無に有意に相関するレクチンを同定した。このうちBPLレベルは再発に有意に相関することがわかった。本研究成果は2015年Surgery Todayに報告した。本研究の最終目的であるンパ節転移の機序や再発・遠隔転移の有無とリンパ管新生との関連を分子生物学的手法,免疫組織学的手法,網羅的遺伝子解析,および電子顕微鏡を用いた形態学的手法を用いて解明はまだ最終解析までには至っていない。最終年をこえても引き続き本研究を行い,リンパ節転移やリンパ管侵襲の発生機序の解明をめざす予定である。
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Research Products
(3 results)