2013 Fiscal Year Research-status Report
食道癌における新規抗癌剤効果規定遺伝子の同定と抗癌剤効果予測モデルの確立
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24591952
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
野口 剛 大分大学, 医学部, 准教授 (20264335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 善之 大分大学, 医学部, 助教 (00433053)
柴田 智隆 大分大学, 医学部, 助教 (20566905)
麓 祥一 大分大学, 医学部, 客員研究員 (00532631)
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Keywords | テイラード医療 / 効果予測システム / マイクロアレイ / 抗癌剤 / 食道癌 |
Research Abstract |
昨年度の研究予定であった、下記「1、候補遺伝子の強制発現クローンの樹立」については、一部の抽出遺伝子について樹立が遅れていたため、本年度にまたがり研究を遂行した。一方、「2、樹立クローンを用いた抗癌剤感受性評価」については、予定通り、本年度に遂行した。さらに、本年度は、「3、臨床検体組織および臨床データの収集」を研究予定に追加して遂行した。研究詳細は以下の通りである。 1、候補遺伝子の強制発現クローンの樹立:昨年度、強制発現クローンの樹立まで至らなかった候補遺伝子のクローニング、さらに発現ベクターへの組込みを行った。次に、作製されたコンストラクトをヒト培養食道癌細胞株に導入し、Real-time RT-PCRを用いたmRNAの発現量及びウエスタンブロット法を用いたタンパク質発現の確認を行った。 2、樹立クローンを用いた抗癌剤感受性評価:候補遺伝子を過剰発現させたヒト培養食道癌細胞株に対してMTT assayを行い、抗癌剤感受性効果規定遺伝子としての可能性を検討した。予想通りの抗癌剤感受性変化が確認された遺伝子については、候補遺伝子の発現抑制を目的としたsiRNAのヒト食道癌細胞株への導入による抗癌剤感受性変化を確認した。 3、臨床検体組織および臨床データの収集:術前化学療法症例の腫瘍組織の収集(凍結保存)ならびに臨床情報の収集(上部消化管内視鏡検査、CT、PET-CT検査による効果判定)を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究計画、樹立クローンを用いた抗癌剤感受性評価は、ほぼ計画通り研究が遂行された。また、本年度は、食道癌術前化学療法症例の化学療法前検体及び臨床データ(抗癌剤の効果判定結果)の収集を進める事ができた。 以上より、交付申請書に記載した研究計画の通り、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
1、抗癌剤効果規定遺伝子の薬剤感受性に関わる分子機構の解明:抗癌剤感受性変化を来たした候補遺伝子強制発現クローンとコントロールベクター導入クローンを用い、オリゴヌクレオチドマイクロアレイによる遺伝子プロファイリング解析を行う。さらに、抗癌剤感受性に差がある強制発現クローンが樹立できれば、このクローン間の遺伝子プロファイルも比較する。この結果をIngenuity Pathways Analysis (IPA)によるパスウェイ解析で解析し、関連遺伝子及び分子機構を明らかにする。 2、抗癌剤効果予測遺伝子群を用いた臨床効果予測モデルの設定(後ろ向き試験):複数の抽出遺伝子を用いた効果予測については、各候補遺伝子の発現量を説明変数、IC50値の対数変換値を目的変数とした重回帰分析を行うことにより設定する。また、解析には、外れ値を考慮した頑強な重回帰分析を行うために開発された解析ソフトNLRegを用いる。具体的には、食道扁平上皮癌症例(術前5-FU/CDDP療法施行症例を対象)における化学療法施行前の生検癌組織の各候補遺伝子発現レベルを説明変数、臨床効果(化学療法施行後の腫瘍縮小率)の対数変換値を目的変数とした重回帰分析を行うことにより臨床効果予測式を作成し、さらにテストサンプルを用いて予測精度の確認作業を行う。
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Research Products
(11 results)