2014 Fiscal Year Annual Research Report
小腸虚血再灌流障害に対するRhoキナーゼ阻害薬の効果とメカニズムの解明
Project/Area Number |
24591968
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
竹吉 泉 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60272233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須納瀬 豊 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (90375543) [Withdrawn]
高橋 憲史 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (10599541)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 虚血再灌流障害 / 小腸 / Rhoキナーゼ / nitric oxide |
Outline of Annual Research Achievements |
Rhoキナーゼ阻害薬である塩酸ファスジルはくも膜下出血術後の脳血管攣縮の改善として臨床で使用されているが,これはRhoキナーゼの主作用である平滑筋細胞の収縮を抑制することによる.Rhoキナーゼは平滑筋の収縮のみならず,各種細胞の遊走,遺伝子発現制御などの生理機能に関与しており,虚血再灌流障害臓器の血管内皮細胞におけるRhoキナーゼの増加も報告されている.そこで、塩酸ファスジル投与による小腸虚血再灌流障害の軽減の効果につき検討し、メカニズムを解明することを目的とした.体重10㎏前後のビーグル犬を用い,塩酸ファスジル(1 mg/kg)投与群(n=6),生食投与群(n=6)を作成した.全身麻酔後,開腹し,上腸間膜動静脈をクランプし,2時間の虚血後,再灌流を行った.回腸末端は組織採取目的のためストーマとした.再灌流1,3,6,12時間後に上腸間膜動脈(SMA)血流量およびストーマの小腸粘膜血流量の測定を行い,病理検査のためにストーマから小腸組織の一部を採取した.再灌流12時間後まで観察を行った.その結果再灌流12時間後にRhoキナーゼ阻害薬投与群がSMA血流量と小腸粘膜血流量の有意な改善を認め,組織学的検討においても小腸粘膜障害の軽減を認めた.そのメカニズムを調べるためeNOSの発現をWestern blotsで検討したが、ポジティブなデータはでなかった.Rhoキナーゼ阻害剤は,Rhoキナーゼの活性化は単球走化性因子-1(MCP-1)の遺伝子発現を促進的に制御し,eNOSの遺伝子発現を抑制的に制御する等の報告があるため,eNOSやMCP-1等の免疫染色やPCRやELISA等をおこなってメカニズムについて現在検討中である.この結果が出次第,共同研究者の高橋憲史が学位論文として英論文を作成する予定である.
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