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2012 Fiscal Year Research-status Report

大腸癌における合成レチノイドの核内レセプター制御による分化誘導作用の解明

Research Project

Project/Area Number 24591987
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionUniversity of Occupational and Environmental Health, Japan

Principal Investigator

中山 善文  産業医科大学, 医学部, 准教授 (50279337)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
KeywordsTAC-101 / ATRA / 核内レセプター / 分化誘導 / 大腸癌
Research Abstract

TAC-101、ATRA投与によって、大腸癌細胞における核内レセプターを含めた分化誘導関連遺伝子などがどのように変化するかをマイクロアレイ法で解析するために、まず、投与濃度と暴露時間の決定を行った。十分に遺伝子変化が期待できる72時間暴露に固定し、大腸癌細胞株DLD-1の薬剤感受性試験をWST-8アッセイで行った結果では、細胞数減少がない最大濃度は、TAC-101が10μM、ATRAが10μMであった。これらの濃度で各薬剤の72時間暴露を行いtotal RNAを抽出した。Total RNA抽出はTotal RNA/RNeasy Mini Kitを使用して行った。
マイクロアレイ解析はヒト全遺伝子型DNAチップ(ヒト25k ver 2.10)を用いた2色法で、Dye-Swapを行った。RNA サンプルの品質チェックも問題なし。約25000の遺伝子を網羅的に検討し、Controlと比べ2倍以上の変化を示したものを抽出した。TAC-101群で正に亢進したものは、2倍以上が24個、4倍以上が9個、6倍以上が2個、負に亢進したものは、2倍以上が10個、4倍以上が1個、6倍以上は認めなかった。ATRA群で正に亢進したものは、2倍以上が31個、4倍以上が18個、6倍以上が8個、負に亢進したものは、2倍以上が39個、4倍以上が3個、6倍以上は認めなかった。核内レセプター244個の中で、TAC-101群とATRA群ともにNR6A1(Nuclear receptor subfamily 6 group A member 1) (Germ cell nuclear factor)(GCNF)(hGCNF)(Retinoid receptor-related testis-specific receptor)(RTR)(hRTR)のみが正に亢進していた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

合成レチノイドのTAC-101、ATRA投与によって、大腸癌細胞における核内レセプターを含めた分化誘導関連遺伝子などがどのように変化するかをマイクロアレイ法で解析するための濃度決定と時間決定の準備が滞りなくできた。大腸癌細胞株DLD-1の薬剤感受性試験をWST-8アッセイで行った結果で、至適濃度の決定をおこなった。TAC-101が10μM、ATRAが10μMであった。これらの濃度で各薬剤の72時間暴露を行いtotal RNAを抽出し、マイクロアレイ解析を行った。マイクロアレイ解析はヒト全遺伝子型DNAチップ(ヒト25k ver 2.10)を用いた2色法で、Dye-Swapを行った。約25000の遺伝子を網羅的に検討し、Controlと比べ2倍以上の変化を示したものを抽出した。TAC-101群で正に亢進したものは、2倍以上が24個、4倍以上が9個、6倍以上が2個、負に亢進したものは、2倍以上が10個、4倍以上が1個、6倍以上は認めなかった。ATRA群で正に亢進したものは、2倍以上が31個、4倍以上が18個、6倍以上が8個、負に亢進したものは、2倍以上が39個、4倍以上が3個、6倍以上は認めなかった。核内レセプター244個の中で、TAC-101群とATRA群ともにNR6A1(Nuclear receptor subfamily 6 group A member 1) (Germ cell nuclear factor)(GCNF)(hGCNF)(Retinoid receptor-related testis-specific receptor)(RTR)(hRTR)のみが正に亢進していた。マイクロアレイ法で以上の結果を得たことは有意義なことであり、本研究はおおむね順調に進展していると思われる。

Strategy for Future Research Activity

TAC-101とATRA投与によって変化した遺伝子の詳細を文献的に調べ、これらの薬剤による制癌作用に関連している因子を絞り込んでいく。関連している分野としては細胞増殖制御、血管新生制御、分化誘導関連、核内レセプター関連、接着分子関連など、多くの遺伝子があるが、薬剤の特性から考えて、特に、分化誘導関連、核内レセプター関連、細胞増殖制御について絞り込んでいく予定です。これらの検討から絞り込んだ因子について、大腸癌の切除標本で免疫染色する予定です。また、TAC-101の類似レチノイドであり、ATRA抵抗性の急性前骨髄性白血病の治療薬として実臨床で使用されているAM80 (Tamibarotene)についてもマイクロアレイ解析を行い、変化している遺伝子を絞り込み、AM80の作用メカニズムの解析を進めていく。そのためにAM80を大腸癌細胞株DLD-1に投与し、マイクロアレイ解析を行い変化する遺伝子を検索する。DLD-1に対するAM80の薬剤感受性試験をWST-8アッセイで行った結果では、細胞数減少がない最大濃度は1μMであった。この濃度でAM80の72時間暴露を行いtotal RNAを抽出し、マイクロアレイ解析を行っていく予定です。さらにAM80の72時間暴露で変化した遺伝子を抽出し、それらの遺伝子についても文献的考察を行った後、大腸癌の切除標本での免疫染色を行う。また、大腸癌細胞株を使用した実験を行い、TAC-101, ATRA, AM80による標的とする遺伝子の蛋白レベル、mRNAレベルの変化を評価、解析する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

TAC-101とATRA投与によって変化した遺伝子の詳細を文献的に調べ、これらの薬剤による制癌作用に関連している因子を絞り込んでいく。関連している分野としては細胞増殖制御、血管新生制御、分化誘導関連、核内レセプター関連、接着分子関連など、多くの遺伝子があるが、薬剤の特性から考えて、特に、分化誘導関連、核内レセプター関連、細胞増殖制御について絞り込んでいく予定です。これらの検討から絞り込んだ因子について、大腸癌の切除標本で免疫染色する予定です。また、TAC-101の類似レチノイドであり、ATRA抵抗性の急性前骨髄性白血病の治療薬として実臨床で使用されているAM80 (Tamibarotene)についてもマイクロアレイ解析を行い、変化している遺伝子を絞り込み、AM80の作用メカニズムの解析を進めていく。そのためにAM80を大腸癌細胞株DLD-1に投与し、マイクロアレイ解析を行い変化する遺伝子を検索する。DLD-1に対するAM80の薬剤感受性試験をWST-8アッセイで行った結果では、細胞数減少がない最大濃度は1μMであった。この濃度でAM80の72時間暴露を行いtotal RNAを抽出し、マイクロアレイ解析を行っていく予定です。

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Published: 2014-07-24  

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