2012 Fiscal Year Research-status Report
硬変肝切除後の類洞再生遅延の分子機構と血管内皮前駆細胞導入による肝再生促進の研究
Project/Area Number |
24591994
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
清水 宏明 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80272318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 勝 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70166156)
大塚 将之 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90334185)
久保木 知 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (50571410)
木村 文夫 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70334208)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 肝再生 / 類洞再生 / 黄疸 / 肝硬変 |
Research Abstract |
1. 黄疸肝の肝切除後肝再生促進の試み: Wistar 系ラット(200-250g)を用い、総胆管結紮による黄疸肝モデルを作成し、それぞれに70%肝切除を行い、まず、その再生過程を肝細胞のPCNA labeling index、さらには、残肝重量から評価し、正常肝群の肝再生と比較した。これまでの結果:1. 閉塞性黄疸群では肝切除前より PCNA labeling index が sham群に比して高値であったが、肝切除後の再生肝重量の増加は有意に遅延していたが、240時間後には再生肝重量はほぼ同等となった。2. Sham群では肝切除後に HGF mRNA発現の急激な上昇を認め、12- 24時間にピークとなったのに対し、閉塞性黄疸群ではその発現のピークは消失。3. 閉塞性黄疸群では TGF-β1 mRNAの発現は sham群に比し、肝切除前から肝切除後48時間まで有意に高値であった。3. 閉塞性黄疸肝切除後には活性化星細胞(HSCs)からと考えられる TGF-β1 発現の亢進を認めた。また、 HSCs からの産生低下に起因する肝組織中 HGF の発現は低下しており、肝切除後早期の HGF のピークは消失していた。よって、閉塞性黄疸肝切除時の肝再生は抑制・遅延する環境にあると考えている。 2 血管内皮前駆細胞の分離: 骨髄由来で内皮細胞に分化することができる血管内皮前駆細胞(EPC)は、骨髄から末梢血中に動員されて、新しく血管が新生されつつある局所に特異的に取り込まれると報告されている。まず、ラット末梢血を尾静脈より、採取し、その中の単核球を比重遠沈法で分離をし、CD34の発現した細胞をFACScanにより解析を試みるもEPCと推測される細胞集団を分離を試みるも、収量、viabilityとも悪く、今後改善を要するところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
1. 90%肝切除後、黄疸肝、硬変肝の肝切除後肝再生促進の試み: 血管内皮前駆細胞(EPC)は、骨髄から末梢血中に動員されて、新しく血管が新生されつつある局所に特異的に取り込まれると報告されている。まず、ラット末梢血を尾静脈より、採取し、その中の単核球を比重遠沈法で分離をし、EPCと推測される細胞集団をまず、CD34の発現した細胞をFACScanにより分離を試みるも分離がうまくいっていない。収量、viabilityとも悪く、今後改善を要するところである。
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Strategy for Future Research Activity |
1. Wistar 系ラット(200-250g)を用い、総胆管結紮による黄疸肝モデルを作成し、それぞれに70%肝切除を行い、まず、その再生過程を類洞内皮細胞のPCNA labeling indexを評価し、正常肝群の肝再生と比較する。 2. ラット末梢血を尾静脈より、採取し、その中の単核球を比重遠沈法で分離をし、EPCと推測される細胞集団をまず、CD34の発現した細胞をFACScanにより分離を確実に分離し(収量は少なくてもviabilityの高い細胞)、次のステップに進めたい。ラットの胆管結紮黄疸肝モデル対して70%肝切除、さらにはあるいは四塩化炭素誘導肝硬変肝切除を行い、門脈より血液内皮前駆細胞の導入し、経時的に類洞内皮細胞、肝細胞の増殖能をPCNA labeling index から検討し、残肝組織の再生の程度を検討していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
in vitroでの細胞培養の実験では、細胞培養備品に関わる消耗品が必要となる。また、その実験の評価には、免疫組織染色、分子生物学的手法(RT-PCRなど)により行うため、モノクローナル抗体、分子生物学実験に関わる消耗品(DNA抽出キット・RT-PCR関連製品、備品)の購入が必要となる。
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Research Products
(1 results)