2014 Fiscal Year Annual Research Report
硬変肝切除後の類洞再生遅延の分子機構と血管内皮前駆細胞導入による肝再生促進の研究
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24591994
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
清水 宏明 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80272318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 勝 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70166156)
大塚 将之 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90334185)
久保木 知 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (50571410)
木村 文夫 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70334208) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 肝再生 / 黄疸 / 肝硬変 / 肝類洞 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.黄疸肝、硬変肝の肝切除後肝再生促進の試み:Wistar 系ラットを用い、総胆管結紮による黄疸肝(BDL)モデルを作成。BDL2週にて肝組織HGF, VEGF mRNAの発現は増加。さらにTGF-β1 mRNAの発現はsham群に比し有意に亢進しており、肝構成する細胞をエルトリエーションローターを用いて分離し、その発現をみると肝星細胞(HSCs)にて強発現認めた。さらに、免疫染色にてdesmin陽性であるHSCsの数の増加およびその活性化を認めた。OJ群では肝切除前よりPCNA L.I.がsham群に比して高く、肝切除後の肝再生は遅延していた。さらに、TGF-β1 mRNAの発現はsham群に比し、肝切除前から48時間まで有意に高値であった。また、sham群では肝切除後にHGF mRNA発現の急激な上昇を認め、12-24時間にピークになったのに対し、OJ群ではその発現のピークは消失。したがって、閉塞性黄疸時には、HSCsの数の増加と活性化に伴い、TGF-β1が強発現しており、肝組織中のHGFもすでに誘導されていた。肝切除後には活性化HSCsからのHGFの産生低下に伴い、HGF発現は低下し、TGF-β1の発現の亢進と相まって肝再生は抑制・遅延される状態にあることが考えられた。さらに黄疸肝では、SEC障害がすでに起こっており、その再生も抑制・遅延される状態にあることが示唆された。 2. 血管内皮前駆細胞の分離 ラット末梢血を尾静脈より、採取し、その中の単核球を比重遠沈法で分離する。この単核球分画に存在するCD34の発現した細胞をFACScanにより解析してみるものの、血管内皮前駆細胞(EPC)と推測される細胞集団の回収率が悪く、実際には骨髄細胞をそのまま用いる事とし、研究を進めた。90%肝切除後、骨髄細胞を門脈内に注入し、残肝組織の再生、ラットの生存を検討してみたが、コントロール群と比較し、有意な差異は今のところ認めていない。今後、門注する細胞数、そのタイミングなどを変えて、類洞・肝再生の促進を導けるかどうかを検討する。
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Research Products
(1 results)