2013 Fiscal Year Research-status Report
骨形成蛋白(BMP7)よる新たな生体肝移植後過小グラフト対策の開発
Project/Area Number |
24591995
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高屋敷 吏 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (30456024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉富 秀幸 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (60375631)
加藤 厚 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70344984)
清水 宏明 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80272318)
宮崎 勝 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70166156)
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Keywords | 肝臓病学 / 移植・再生医療 |
Research Abstract |
本研究の目的は以下の3点である 1. BMP-7投与によりラット過小グラフト(Small-for-size; SFS)肝移植モデルにおいてSFS肝不全抑制効果があることを門脈圧変化,生化学データ,肝再生,生存率などにより明らかにする. 2. 臨床応用に向けて肝での特異性を高めて作用増強を図るためにSFSグラフト肝組織におけるBMP-7およびその作用と拮抗するTGF-β1を介した肝不全抑制機序を解明する. 3. 生体肝移植患者の臨床検体を用いてhuman でのBMP-7およびそのレセプター発現測定を行い臨床応用へ向けた基礎的データを明らかにする. 本年度はrecombinant human BMP-7 (rhBMP-7)をラットSFS肝移植術後に経門脈的に全身投与し,血流圧モニターを用いた移植後経時的門脈圧変化,血清中AST, ALT, T-bil値,動物実験用CT(ALOKA社ラシータLCT-200)を用いたCT volumetry,肝移植後生存率を測定することによりSFS肝不全抑制効果を検討してきた.その結果rhBMP-7門脈内投与により肝障害軽減を示す血清中AST, ALT, T-bil値の低下および生存率の改善を認めている.これにより動物実験においてはrhBMP-7投与に肝不全抑制効果があることを確認した.またBMP-7のBMPR-IA(ALK3)を介した転写因子であるSmad1, Smad5の転写活性をElectropholetic mobility shift assay法にて測定し,SFS肝移植モデルに対するrhBMP-7投与群においてその活性が亢進していることが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
BMP-7のレセプターであるBMPR-IA (ALK3)発現などの免疫組織染色による解析が,手技的な問題もあり明確なデータとして示せていない.SFS肝移植グラフトにおいては全肝移植グラフトと比較してレセプター発現に有意差そのものが無い可能性もあり,現在も免疫組織染色の条件を適宜変更し検討中である. また,生体肝移植患者におけるBMP-7およびそのレセプター発現検討も本年度は進めることができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
BMP-7のレセプターであるBMPR-IA (ALK3)発現などの免疫組織染色による解析を行う.TβRI (ALK5), TβRII発現を免疫組織染色法で,SFSグラフト肝組織におけるSmad 2, Smad3をEMSA法にて測定することによりTGF-β1のSFSグラフト肝組織中におけるシグナル伝達の解析を進める また,臨床応用に向けた生体肝移植患者におけるBMP-7およびそのレセプター発現検討を進める.
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