2013 Fiscal Year Research-status Report
早期DNA損傷修復機構の評価法に基づく胆管癌における表層拡大進展形成機序の解明
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24592021
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
若井 俊文 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50372470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 康伸 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40334669)
味岡 洋一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80222610)
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Keywords | DNA損傷修復機構 / p53-binding protein 1 / 胆管癌 / 表層拡大進展 / field carcinogenesis / 上皮内癌 / γ-H2AX / DNA二重鎖切断 |
Research Abstract |
申請者らは、p53-binding protein 1 (53BP1)による早期DNA損傷修復機構に着目し、「胆管癌の表層拡大進展の形成は、浸潤癌が上皮内進展して形成される場合とfield carcinogenesisの結果残存した上皮内癌部が表層拡大進展として形成される場合とがあり、両者における表層拡大進展部では、DNA損傷部に対する53BP1を介したDNA修復機構に相違点がある」という仮説をたて、本研究を企画した。【目的】「胆管癌の浸潤部と表層拡大進展部におけるDNA損傷部に対する53BP1を介したDNA損傷修復機構の相違点を解明し、表層拡大進展形成機序を解明すること」である。 (1)DNA損傷およびDNA損傷修復仲介因子53BP1の検出:術前の胆管上皮生検材料および切除標本の浸潤癌部・表層拡大進展部におけるDNA損傷をγH2AXモノクローナル抗体による免疫組織化学、蛍光免疫組織染色(IF)で検出し、53BP1に対するIFを行い53BP1の核内発現を検出し、早期DNA損傷修復仲介因子53BP1の核内発現様式を解明する。 (2)二重蛍光免疫組織染色によるDNA損傷部への53BP1共局在率:二重蛍光免疫組織染色にて浸潤癌部・表層拡大進展部におけるDNA損傷部への53BP1共局在率を解明する。 (3)p53遺伝子変異および53BP1遺伝子変異の検出:浸潤癌部・表層拡大進展部におけるp53(exon5-8)、53BP1(exon21 & 22)の遺伝子変異を検索し、53BP1不活化(DNA損傷部に53BP1が共局在しない)の原因がp53遺伝子変異によるものか53BP1自体の遺伝子変異によるものかを解明する。 (4)表層拡大進展形成機序の解明:53BP1を介したDNA修復機構およびp53遺伝子変異、53BP1遺伝子変異という新たな視点から胆管癌における表層拡大進展の形成機序を解明する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
切除標本における浸潤部と表層拡大進展部とを鑑別した後に、表層拡大進展の定義を「浸潤部辺縁から20 mm以上表層進展している胆管上皮内腫瘍部」とした。表層進展部を浸潤部から5 mm間隔に評価して、20 mm未満の表層進展部と20 mm以上の表層拡大進展部とに分類し、術前に行われた胆管上皮の生検材料と切除標本上での生検部位をmappingした。 DNA損傷およびDNA損傷修復仲介因子53BP1の検出を行った。切除標本の浸潤癌部表層拡大進展部におけるDNA損傷をγH2AXモノクローナル抗体による免疫組織化学、蛍光免疫組織染色(IF)で検出し、53BP1に対するIFを行い53BP1の核内発現を検出し、早期DNA損傷修復仲介因子53BP1の核内発現様式を検討した。二重蛍光免疫組織染色を行い、DNA損傷部への53BP1共局在率を評価した。53BP1核内ドット状集積における両者の核内発現の局在を検討した結果、53BP1はγH2AXに共局在していた。胆管癌の浸潤部と表層拡大進展部におけるDNA損傷部に対する53BP1を介したDNA損傷修復機構の疎移転を解明し、下記英語論文として発表した。 Wakai T, Shirai Y, Sakata J, Korita PV, Ajioka Y, Hatakeyama K. Early DNA damage response in residual carcinoma in situ at ductal stumps and local recurrence in patients undergoing resection for extrahepatic cholangiocarcinoma. J Hepatobiliary Pancreat Sci. 2013;20(3):362-9. また、研究成果を11th World Congress oh the International Hepato-Pancreato-Biliary Association(Seoul)で発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
パラフィン切片から浸潤癌部、表層拡大進展部をマイロダイセクションし、DNA抽出を行い、PCR増幅し、電気得移動でPCR産物を確認後、精製しサイクルシークエンス反応させ、反応産物を精製してシークエンス解析を行う。p53(hot spotであるexon5-8)の遺伝子変異、53BP1(hot spotであるexon21&22)の遺伝子変異を検索し、53BP1不活化(DNA損傷部に53BP1が共局在しない)の原因がp53遺伝子変異によるものか53BP1自体の遺伝子変異によるものかを解明する研究を行うため、PCR/シークエンスを実行することに研究費を重点的に配分する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
p53(hot spotであるexon5-8)の遺伝子変異、53BP1(hot spotであるexon21&22)の遺伝子変異を検索するためのプライマー設計を行い、決定することに時間を要したことが、当該助成金が生じた理由である。 パラフィン切片から浸潤癌部、表層拡大進展部をマイロダイセクションし、DNA抽出を行い、PCR増幅し、電気得移動でPCR産物を確認後、精製しサイクルシークエンス反応させ、反応産物を精製してシークエンス解析を行う。p53(hot spotであるexon5-8)の遺伝子変異、53BP1(hot spotであるexon21&22)の遺伝子変異を検索し、53BP1不活化(DNA損傷部に53BP1が共局在しない)の原因がp53遺伝子変異によるものか53BP1自体の遺伝子変異によるものかを解明する研究を行うため、PCR/シークエンスを実行することに研究費を重点的に配分する。
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Research Products
(3 results)