2012 Fiscal Year Research-status Report
間葉系幹細胞を利用した膵島移植によるI型糖尿病治療の確立
Project/Area Number |
24592027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
浅利 貞毅 神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (20580682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 逸平 神戸大学, 医学部附属病院, 病院准教授 (30379408)
新関 亮 神戸大学, 医学部附属病院, 病院講師 (60444593)
後藤 直大 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (40580684)
福本 巧 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70379402)
具 英成 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40195615)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | なし |
Research Abstract |
研究の全体構想は、アロ抗原である骨髄細胞(BMCs)、間葉系幹細胞(MSCs)、膵島細胞(Islets)を1型糖尿病レシピエントに移植し、生体内でGraft vs. Host Disease (GVHD)を惹起することなく安定したドナー抗原ならびに自己抗原特異的免疫寛容を誘導し、免疫抑制剤を使用することなく1型糖尿病を治癒に導くことである。平成24年度は、糖尿病発症NODマウスにアロ(C57BL/6)由来のMSCs + BMCs + Isletsを移植し、1型糖尿病が治癒することを証明することである。現段階では、B6マウス由来のBMCsからMSCsを効率よく採取できるよう、メディウム、Fetal Bovine Serum (FBS)、成長因子の種類や濃度を最適化しながら培養を行っている。新しい知見として、MSCsを継代していく際stem cell用の形質維持にはFBSのLot numberが重要である、ということが考えられた。また、保存目的で凍結すると形質の維持が困難であることが判明した。Isletsの分離についてもアメリカ留学時代に行っていたプロトコールを追試し最適化している。さらに、移植前にレシピエント投与する免疫抑制、 Anti-CD3 mAbをハイブリドーマから作成中である。また、MSCs、 BMCs、Isletsの細胞を混合すると、これらの細胞が凝集し門脈塞栓が起きる可能性があることが判明した。できるだけ早期に安定した移植モデルを確立し、BMCs + Islets群と比較することにより、MSCsのグラフト生着に関わるメカニズムを解明して行きたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
①臨床にたずさわりながらの研究であるため、現在十分な研究時間が確保出来ない状況にある。また、並列で進行予定していた研究がマンパワー不足により進まない状況にある。特に、MSCs, Isletsの培養分離ならびにAnti-CD3 mAbの作成については同時進行を予定していたが、実際には一つずつ最適化を行っている。特に、予測されていたことではあるがマウスMSCsの分離に時間を要している。 ②神戸大学で実験1年目ということもあり、動物実験を行う上で必要な種々の申請(動物実験講習会や遺伝子組み換え講習会など)に時間を要することである。 実験系(移植モデル)が確立すれば、解析に用いるアッセイは一般的なものであるのでスムーズに進行すると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に引き続き、できるだけ早期に安定したBMCs + Islets+MSCs移植モデル群を確立する。BMCs + Islets群と比較することにより、MSCsの上乗せ効果ならびにグラフト生着を促進させるメカニズムを解明する。さらに、(1)ドナー、レシピエント、サードパーティーのグラフトを用いて混合リンパ球反応試験や皮膚移植を行い、in vitro, in vivoでドナー抗原特異的免疫寛容が誘導されていることを評価する。(2) レシピエント肝臓内での膵島グラフトの生着率を評価する。(3) 血清中の抗ドナー抗体価を2週間毎にELISAで測定し、グラフト拒絶あるいはGVHDに至った個体で抗ドナー抗体価と相関があるかを評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究費の使用計画はおおむね申請通りで、試薬に80万円、実験動物に40万円、研究成果発表に10万円、レンタル費用20万円、動物飼育費15万円を予定している。動物移植モデルの確立、最適化に難渋する場合は実験動物に要する費用が高くなる可能性がある。
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