2013 Fiscal Year Research-status Report
胆嚢癌の発癌に関わるmiRNA発現解析、浸潤・転移能機能解析及び新規治療法の開発
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24592030
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高畑 俊一 九州大学, 大学病院, 講師 (50437779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 隆生 九州大学, 大学病院, 助教 (20372766)
上田 純二 九州大学, 大学病院, 助教 (90529801)
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Keywords | 胆嚢癌 / miRNA / 膵胆管合流異常 / 発癌 / 癌悪性度 |
Research Abstract |
胆嚢癌切除標本と正常胆嚢との間でmiRNA発現の比較解析をマイクロアレイ法で行い、胆嚢癌で異常高発現を認めたmiRNAなかで、miRNA-155に注目して研究を行った。26例の胆嚢癌切除標本のmiRNA-15発現解析を行ったところ、正常群より有意にmiRNA-155の発現が高かった。臨床病理学的因子との相関を見ると、miRNA-155高発現群の予後は発現群より有意に不良で、特にUICC stage 0-IではmiRNA-155高発現が独立した予後規定因子であった。また胆嚢癌細胞株を用いて、miRNA-155発現を抑制すると、細胞株の浸潤能と遊走能が有意に低下した。以上より、miRNA-155高発現は胆嚢癌悪性度と関連し、新たな予後予測因子あるいは治療標的のなる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、胆嚢癌におけるmiRNAプロファイリングと、胆嚢癌でのmiRNA-155の悪性度への影響を切除標本と細胞株で解析し、論文化できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
胆汁内miRNA解析による胆嚢癌の診断と悪性度評価に関する研究を行う。まずmiRNA-155の胆汁内発現解析を行う。ここでは発現量を重視するので、解析は定量PCR法を用いる。大きくは胆嚢癌の診断と、悪性度評価に分けて、miRNAの発現量と臨床・病理学的因子との関係を調べる。また胆嚢切除例では腫瘍あるいは胆嚢粘膜内のmiRNA-155発現量と胆汁内miRNA-155発現量が相関するかを調べ、胆汁内miRNA-155発現解析が胆嚢癌と慢性胆嚢炎や良性胆嚢腫瘍(腺腫、腺筋症、コレステロールポリープ、黄色性肉芽腫性胆嚢炎)との鑑別に有用なマーカーとなるかを調べ、胆嚢癌の鑑別、早期診断に応用可能な状態となることを目指す。悪性度評価については増殖能や転移浸潤能が低い腫瘍には縮小手術を行い、高い腫瘍には標準的切除+補助療法を勧めるなどのある程度の指針を示すことができるようにする。さらに切除不能例では薬剤感受性に関するmiRNA-155の発現量に応じて至適薬剤選択ができるようにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
順調に進んでおり、資金を効率的に使用できたため。 研究の遂行に必要な主要装置(共焦点レーザー顕微鏡、フローサイトメーター、in vivo蛍光イメージャー、リアルタイムPCR, 蛍光顕微鏡、遺伝子導入装置、セルソーター、バイオアナライザー、ナノドロップ、FACS機器など)は既に研究室内に設置されている。この他の機器(透過型電子顕微鏡、DNAシークエンサーなど)については学内の研究支援センターにおいて利用可能であり、研究の遂行に支障はない。このため研究経費において新たな設備備品の購入は不要である。他に実験に必要なガラス機器(5万)、試薬・抗癌剤(30万)、細胞株を用いた実験に必要なキット類(抗体10万、プラスミド20万、Western blotキット30万、アポトーシス解析キット30万)などの消耗品が経費となる。
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Research Products
(2 results)