2013 Fiscal Year Research-status Report
急性胆管炎診療における血清プロカルシトニン濃度測定の有用性の検討
Project/Area Number |
24592038
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
三浦 文彦 帝京大学, 医学部, 准教授 (00344995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 圭二 帝京大学, 医学部, 教授 (00334392)
天野 穂高 帝京大学, 医学部, 准教授 (70261899)
豊田 真之 帝京大学, 医学部, 講師 (00317687)
和田 慶太 帝京大学, 医学部, 講師 (80349307)
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Keywords | 急性胆管炎 / バイオマーカー / プロカルシトニン |
Research Abstract |
研究代表者らは、急性胆管炎の診断基準と重症度判定基準を定め、2007年に発刊した急性胆管炎・胆嚢炎の国際版診療ガイドラインで発表した。さらに、急性胆管炎の診断基準と重症度判定基準を改訂し、2013年に発刊された急性胆管炎・胆嚢炎の国際版診療ガイドライン第2版で発表した。急性胆管炎の診断基準における炎症の有無の判定、重症度判定基準については、高いレベルのエビデンスが乏しく、ガイドラインの次回改訂における重要な課題となっている。 プロカルシトニン(以下、PCT)はカルシトニンの前駆蛋白として甲状腺のC細胞において生成されるが、近年、新しい信頼性の高い細菌感染症のバイオマーカーとして注目され、本邦では2006年2月に血清濃度測定が保険収載された。当該研究は、急性胆管炎の診断と重症度判定における血清プロカルシトニン(PCT)濃度測定の有用性を明らかにし、診断基準と重症度判定基準の項目として血清PCT濃度の追加を提案することを目的として着手した。 平成25年度の研究計画は、主として症例の集積とデータベースの作成に主眼を置いた。対象は、総胆管結石、膵胆道悪性腫瘍、良性胆管狭窄により胆汁うっ帯を呈する患者とした。平成24年7月24日に本学倫理委員会での承認が得られたため、8月1日より研究参加者の登録を開始し、現在までに50例が登録された。これらの50例においては、計画された通りに血清PCT濃度と他の評価項目が測定され、データベースが作成されている。詳細なデータの解析は、さらなる症例の集積を待ってから行う予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該研究の3年間の研究期間での予定症例数は200例であるが、平成25年4月30日現在の症例集積数は50例である。達成度としては遅れていると評価しざるを得ない。当該研究では、本学附属病院外科入院患者を対象としているが、当院救急部(ER)と消化器内科の充実に伴い、主な対象である総胆管結石症患者がERから消化器内科に入院となることが多くなったのが大きな要因である。また、膵胆道悪性腫瘍患者のうち、化学療法施行例は除外対象としているが、近年膵胆道悪性腫瘍患者に化学療法を行う機会が増加していることも大きな原因の一つと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、症例の集積とデータベースの作成を継続するとともにデータ解析を行う予定である。症例集積が遅れているが、特に重症例の登録が少ない。そのため、急性胆管炎の重症度判定における血清プロカルシトニン測定の有用性を明らかにするのは困難な状況となっているので、急性胆管炎の診断における血清PCT値測定の有用性に絞って検討を進める方針とした。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データ解析と論文執筆まで進んでいないため、ソフトや書籍の購入を控えたため未使用額が発生した。 データ解析に必要な統計ソフトと論文執筆に必要なソフトと書籍の購入を予定している。また、研究成果の発表のための学会旅費、英語校正にも使用する予定である。
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Research Products
(3 results)