2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24592039
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
土田 明彦 東京医科大学, 医学部, 教授 (50207396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永川 裕一 東京医科大学, 医学部, 講師 (20349484)
黒田 雅彦 東京医科大学, 医学部, 教授 (80251304)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 膵癌 / 血清miRNA |
Research Abstract |
膵癌のスクリーニングには、様々な画像検査のほかに、腫瘍マーカー検査が行われているが、膵癌診断に有効なマーカーが存在しないのが現状である。近年、microRNA(miRNA)が注目され、様々な生物学的プロセスへの関与が明らかになってきた。本研究では、膵癌に関連する血液中に存在する分泌型miRNAの同定を目指し、早期診断や正確な予後因子の同定、ならびに治療標的となるmiRNAの単離を目指した。血液中に存在する分泌型miRNAにはエキソソーム/microvesicleに内包されて存在するものと、Ago2 complexに結合して存在するmiRNAがある。miRNAは、いずれの状態においても、血液中においてRNase抵抗性である。 平成24年度は、膵癌患者18例、健常者4例の血液サンプルを十分な説明と同意のもとに取得し、これらのmiRNAに関して、ショ糖密度勾配による遠心法によって分離し、その後miRNAを単離し、Agilent社のマイクロアレイ法によって解析した。平成25年5月現在、これらの結果は解析中であり、結果が判明次第、平成25年度の研究を引き続き行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
患者血清の取得はおおむね順調に行われているが、血清miRNA解析は、測定キットの関係から、ある程度まとまった症例数がないとできず、一括して行う必要がある。このため、測定時期が年度末になったために、当初の予定より若干の遅れが出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は引き続き、膵癌患者特異的に、変化するmiRNAを同定していく。また、症例数を増やすことにより、各Stageでの変化を明らかにする。さらに、術前後のデータの比較や、予後との相関も行っていく。一方、血漿中のmiRNAのコントロールには、miR-638やmiR-16が用いられているが、用いるmiRNAによってデータが変化することも問題である、本項目では、コントロールmiRNAに関しても、充分に注意をしながら検討していく。 また、膵癌細胞におけるエキソソーム/microvesicleの蛋白解析として、LC-MS/MSによるタンパク質解析を中心に行う。同定されたタンパク質に関しては、抗体の作製を同時に行っていく。さらに、膵癌を標的としたmiRNAの単離として、前年で単離された、アポトーシスを誘導する候補miRNAに対するanti-miRNA LNAを合成し、その効果を判定していく。これらのanti-miRNA LNAは、miRNAの効果を抑制するため、腫瘍増殖を増加させることが予測される。もし、このanti-miRNA LNAが増殖効果を示さない場合は、治療薬として不適当なmiRNAと判断される。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画通り、大部分を消耗品費(検体測定、動物実験等)として使用するが、研究成果がまとまった時点で学会発表、誌上発表を行うものとする。
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