2012 Fiscal Year Research-status Report
胆道癌幹細胞を標的とした癌ペプチドワクチン療法の開発
Project/Area Number |
24592041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
有賀 淳 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (40221056)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 胆道癌 / ペプチドワクチン / 癌幹細胞 / 癌抗原 |
Research Abstract |
胆道癌は未だ有効な治療法の少ない、極めて予後不良な疾患である。近年、癌治療の新しい選択肢として癌ペプチドワクチンの開発が世界的に進められており、我々も胆道癌に対する癌ペプチドワクチン療法の臨床試験を実施しているが、最近の癌研究で癌治療において真の治療効果を得るためには癌幹細胞を標的とした治療が重要であることが示唆されている。そこで我々は胆道癌幹細胞に高発現する癌抗原を同定し、胆道癌幹細胞に対するペプチドワクチンの開発を目指して本研究を開始した。平成24年度ではヒト胆道癌細胞株であるIsCCを使用した実験を実施した。ヒト癌幹細胞では過去の研究報告より、CD13, CD24, CD44, CD90, CD133, CD166, CD326などの分子の発現が認められている。そのため、培養胆道癌細胞IsCCにおける癌幹細胞特異分子の発現をフローサイトメーターにて解析した結果、ほとんどの細胞でCD24, CD44, CD166分子が陽性であり、一部にCD13, CD90, CD133, CD326陽性細胞の存在が確認された。それぞれの細胞分画を分離するため、各抗体にマイクロビーズを結合して磁気を利用した細胞分離を行い、各分子の陽性及び陰性細胞分画を分離した結果、80%以上の純度にて分離が可能であった。各分画における胆道癌抗原の発現を解析する目的で、既知の癌抗原より胆道癌での発現が確認されているLY6K, IMP3, TTK, DEPDC1, CDH3, CDCA1, KIF20A, FOXM1, MELK, HJURP, WT1, GPC3, MUC1の13種類を選択してrealtime PCR用のプライマーを作成し、分離したIsCCの各分画での癌抗原の発現解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度に計画した研究内容にほぼ沿って、研究が実施された。胆道癌を癌幹細胞特異分子により分離して癌抗原のmRNA発現をrealtime PCRで解析する研究も順調に進んでおり、おおむね順調に研究が進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究がほぼ計画どおりに順調に進んでおり、引き続き平成25年度の計画にそって研究を遂行する。平成25年度は引き続き胆道癌幹細胞における癌抗原の発現を検索し、同定された癌抗原のアミノ酸配列をもとにHLA-A2402及びA0201に結合するシーケンスをBIMASにて解析して、ペプチドワクチン候補を決定する。人工的にペプチドを合成し、ヒト抗原提示細胞にパルスして、癌幹細胞特異的CTLの誘導を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に計画している研究遂行のため、培養液等の各種試薬等の購入に研究費を使用する予定とする。癌幹細胞特異抗原が決定された後に、専用のノートPC及びPCソフトを使用し、HLA-A0201及びA2401結合シーケンスを解析する。ペプチドのアミノ酸基が決定した後に、人工的にペプチドを合成する費用を使用する。その後、癌幹細胞特異的CTLの免疫応答解析のためのモノクローナル抗体購入およびELISPOT試薬購入を予定する。
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