2012 Fiscal Year Research-status Report
超音波小型硬さセンサを用いた心筋虚血モニタリングシステムの開発
Project/Area Number |
24592045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渋谷 拓見 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (10526453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芳賀 洋一 東北大学, 医工学研究科, 教授 (00282096)
松永 忠雄 東北大学, マイクロシステム融合研究開発センター, 助教 (00396540)
齋木 佳克 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50372298)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 心筋硬さセンサー / MEMS / 心筋保護 |
Research Abstract |
本研究目的は、虚血による心筋変化を、硬さというパラメーターを元にモニタリングするデバイスの構築である。特に、術中の心筋保護の程度を判断するためのデバイスを念頭に置いて計画している。 平成24年度では、本デバイスの開発に重点を置き研究を行なってきた。まずはデバイスの測定方法について、検討した。当初の計画では小型超音波素子を用いて、共振周波数でのインピータンス変化を硬さの変化として捉える方法を考案していたが、適切な超音波素子の大きさやハウジングの形状・大きさを検討するため、プロトタイプとしてより簡便なデバイスを作成し検討した。 プロトタイプデバイスは、直径15mm、高さ15mmの円筒状ハウジングの内部に超音波素子を搭載した測定部位があり、ハウジングの内周に取り付けた吸引装置により一定圧で吸引した際に、心筋がどれだけ変位したかを超音波素子で計測するというものである。変位量測定部位は、ハウジングの中心部とハウジング周辺部の2ヶ所を測定することとした。 このプロトタイプデバイスを用いて、実際にシリコンで作成したファントム心筋の硬さを測定した。ファントム心筋は心筋保護液により十分弛緩した心筋(ヤング率30kPa)と、不十分な心筋保護により硬化した心筋(ヤング率250kPa)を想定し、2種類用意した。吸引圧も10kPaと20kPaに場合分けし吸引をおこなった。その結果、それぞれの場合において固有の心筋変位量を示し、本測定原理で心筋の硬さを評価できると思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、心筋の虚血性変化を硬さの変化として捉えるためのデバイスの作成に、主に時間を費やした。超音波を利用した硬さ小型センサの設計・試作においては、十分な検討を行いプロトタイプのデバイスを試作した。デバイスの最適化のため、様々な場合分けが必要となりデバイスの作成にやや時間を要している。本来であれば24年度中に行う予定であった動物実験は上記理由から行うことが出来ず、進捗としてはやや遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はデバイスの更なる最適化のため、ファントム心筋を用いた実験を継続していく。同時に、当初の計画にあった”共振周波数でのインピータンス変化による硬さ評価”の測定原理についても、ファントム心筋を用いて評価していく。さらに、超音波素子を用いた変位量測定をリアルタイムに表示可能な測定プログラムも別途開発していく。デバイスの最適化(特に心筋評価における最適な超音波素子の大きさ、ハウジングの形状・大きさの決定)や測定プログラムの目処が立ち次第、動物モデルを用いた実験を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、当初計画していた動物実験を今年度は行うことが出来なかったため、次年度に延期する動物実験の費用も合わせて、次年度請求額と合わせて使用する予定である。
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