2012 Fiscal Year Research-status Report
腎虚血再灌流障害過程におけるユビキチン・プロテアソーム系の機能解析と臨床応用
Project/Area Number |
24592046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
本吉 直孝 東北大学, 大学病院, 講師 (40375093)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 腎虚血再灌流障害 / ユビキチン・プロテアソーム系 / PPAR-γ / 腎保護 / 心臓大血管周術期腎保護 |
Research Abstract |
ブタを用いた大動物腎虚血再灌流実験系を用いて、腎虚血再灌流障害過程におけるユビキチン・プロテアソーム系の、PPAR-γを含む各種転写因子発現及び腎障害度への影響解析の検討を行っているところである。 体重約30kgのブタを吸入及び静脈麻酔にて全身麻酔し、開腹の上、両側腎臓及び腎動静脈を剥離露出させる。両側腎動脈を選択的にclampし、1時間の虚血時間の後、declampすることにより再灌流を開始する。Sample採取のtime pointとしては虚血前、1時間虚血後、再灌流1時間後、2時間後、3時間後、4時間後の計6ポイントし、それぞれで全身血、spot尿、腎静脈血及びWedge resectionにより腎組織を検体として採取した。 腎障害度の評価としては、従来からのBUN,Creに加え、比較的time courseで反応を見せる急性期腎障害バイオマーカーであるNGALを使用することとし、ブタにおいても定量化できることを確認した。病理学的検索においてはより正確にATI(Acute tubular injury)を評価する染色法を検討し、MT染色野口変法を採用した。尿細管障害を4段階に評価し、腎組織ないの領域別にスコアリングし、比較検討することで客観的な評価を可能とした。 また腎虚血再灌流障害過程に関連すると考えらえるNFκ-B,AP-1,NFAT,STAT-3などの各種転写因子に対するブタ組織における抗体選定と局在検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記のように、腎虚血再灌流障害過程におけるユビキチン・プロテアソーム系の、PPAR-γを含む各種転写因子発現及び腎障害度への影響解析を行うための動物モデルの確立および評価法の確立が進んでいるものの、結果を出すまでに至っていないという点でやや遅れているという評価とした。 対象とする各種転写因子に対して、ブタ組織で確実にworkする抗体選定と事前の局在検討の重要性が実験を進めていくうえで認識され、慎重に評価を進めていることも一因となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在施行中の各種転写因子に対する抗体選定と局在検討をさらに進め抗体の決定と局在の確認を終了させる。 それをもとにプロテアソームインヒビターBortezomibを投与した腎虚血再灌流群とControl群の転写因子発現および腎障害度を評価し、比較検討する。また、必要であれば免疫染色やRNA,Proteinの定量評価も追加検討する予定とする。 同時にPPAR-γノックアウトマウスの作成を開始する。具体的にはPPAR-γのエキソン領域をLoxP配列で挟んだマウスと全身性Creトランスジェニックマウスを交配・繁殖させて行うことを考えている。小動物実験系での腎虚血再灌流モデルの確立も行う。 PPAR-γノックアウトマウスを用いた小動物腎虚血再灌流実験系においてBortezomibを投与し、同様に評価を進めることで、ユビキチン・プロテアソーム系の影響を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、当初計画していたPPAR-γノックアウトマウスの作成を次年度に延期することによって生じたものであり、実験動物として、LoxP配列マウス及びCreトランスジェニックマウスの購入に必要な経費として平成25年度請求額と合わせて使用する予定である。
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