2012 Fiscal Year Research-status Report
肺高血圧における細胞外マトリックスの役割とその制御
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24592057
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
新保 秀人 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70179076)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 肺高血圧 / 細胞外マトリックス |
Research Abstract |
研究結果:肺高血圧ラットおよびマウスの作成と肺高血圧軽減機序解明のための基礎実験を行った。特にマウスにおいては肺血圧の測定が容易でなく、右室圧を用いて評価する手技の習得を行った。肺高血圧作成動物は「スウゲン:SU5416」を投与すると組織学的にも血行動態学的にも改善を認めることが確認された。薬物投与は肺高血圧惹起物質投与後においても肺高血圧軽減効果を示した。ただ肺高血圧完成後では有効性が低い傾向であった。この改善は血行動態的には非常に劇的な改善で正常レベルに近い程度まで回復していたことが確認された。組織学的検査では中膜肥厚の程度がかなり回復しており、経時的な評価が必要になるが血行動態的な評価から推測すると正常レベルまでの回復も期待できると考えられる。ただ肺高血圧完成後ではどの程度の間隔まで回復が期待できるのか今回の結果からは推測ができなかった。中膜肥厚と右室筋肉厚とは比較的緩やかではあるが相関関係を示した。組織学的評価および血清学的な評価からはサイトカイン、炎症反応については実験動物の数の影響か一定の関係が見いだせなかった。 意義、重要性:肺高血圧作成動物において肺高血圧を正常レベルまで回復させる薬物は極めて少なく意義のある成果といえる。ただ本薬物の機序は詳細は不明であることから機序の解明は必要である。この薬物と細胞外マトリックスであるテネイシンーCとの関係を示唆する研究もあることから細胞外マトリックスの役割を解明する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本学の動物実験施設の改修工事が期間中に行われたため計画より遅れが出ました。
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Strategy for Future Research Activity |
肺高血圧作成動物における肺高血圧回復機序の解明のために細胞外マトリックスの役割を解明する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
肺高血圧作成動物購入、試薬(比較的高価です)購入、および組織学的検討のための薬品購入にあてます
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