2012 Fiscal Year Research-status Report
術中判断を可能にする心房細動外科治療時の電気生理診断法の確立と低侵襲術式の開発
Project/Area Number |
24592066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
今井 克彦 広島大学, 病院(医), 講師 (80359893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末田 泰二郎 広島大学, 大学院医歯薬保健学研究院, 教授 (10162835)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 慢性心房細動 / 術中マッピング / 電気生理学的検査 / 心臓神経節 / 心房細動手術 |
Research Abstract |
心房細動を有する心疾患患者の開心術において臨床データを蓄積した.従来より行ってきた術式の遠隔期臨床成績と,術前の患者背景・生理学的検査所見などから術式の妥当性を検証すると共に,臨床背景と心房筋変化の関連について検討し,さらには術後,可能な限り電気生理学的検査を行い,また,退院後には経時的追跡調査を行い,心房細動消失の有無を初め,各種臨床データを調査し,考察を行っている. 本年度,本申請により新たに改良したマッピングプローベと,既存の生体アンプの改修・増設により,心房電位マッピングと,リアルタイム解析・表示を行う予定であったが,生体アンプの改修・増設が,部品の流通不足等により大幅に遅れ,克つ,再度の見積もり見直し等が必要となったため,当初年度初めから行う予定であった術中心房マッピングは大幅に開始が遅れることとなった.このため,今年度の予算として執行することが出来ず,次年度への繰り越しとならざるを得なかったが,次年度初めには納品の目処が立っており,マッピングを順次行うことが出来る見込みである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本申請による既存の生体アンプの改修・増設が,納入業者の人的資源の事情と部品の流通不足等により大幅に遅れ,克つ,再度の見積もり見直し等が必要となったため,今年度の予算として執行し生体アンプの納品を行うことが出来ず,次年度への繰り越しとならざるを得なかったため.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度初めには,新たなマッピングシステムの構築がようやく可能となる見込みであるため,当初予定の心房細動を有する心疾患患者の開心術における術中マッピングと,臨床データ蓄積を推進する.具体的には,術中には,主に左心房の神経節の集中している部位をマッピングし,電位を取り込んだ上で高速AD変換装置を介し,デジタルデータとして直ちにハードウエアのメモリ上で解析し,リアルタイム解析と表示を行う.解析にはスペクトル解析やフラクタル解析を応用し,電位の周期性や周期局在性,周期性変動,伝播確率などから興奮維持に関与する部分の性質の洞察を行い,左右心房による興奮性の差異も併せて検討し,責任心房筋の特定と電気的隔離線設計の基礎とする.さらに,除神経節術を加えた場合に電位はどう変化するか,または,心拍動下にアブレーションが可能な場合は,アブレーション後の電位がどう変化するかなどを観察する.これに加え,従来より行ってきた術式の遠隔期臨床成績と,術前の患者背景・生理学的検査所見および上記で検討された術中電気生理学的所見を併せて検討し,責任心房筋の局在性と術式の妥当性を検証すると共に,臨床背景と心房筋変化の関連について検討・考察する
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
マッピングアンプ増設/改修(広島大学型),2,900,000円(計上全予算). 本年度,生体アンプの改修・増設が部品の流通不足等により大幅に遅れ,克つ,再度の見積もり見直し等が必要となったため,術中心房マッピングの開始が大幅に遅れることとなり,研究費予算の当該年度全額を次年度へ繰り越しとならざるを得なかったが,次年度初めには納品の目処が立っており,前年度の予算として併せて執行することにより,マッピングを順次行うことが出来る見込みである.
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