2014 Fiscal Year Annual Research Report
メカニカルストレスの変化に着目した新たな心筋再生療法
Project/Area Number |
24592067
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
白澤 文吾 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80444719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 桃生 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (50379997)
濱野 公一 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60263787)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | メカニカルストレス / 心筋幹細胞 / 心筋梗塞 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに、ヒトおよびマウス心臓より心筋幹細胞が混在する細胞集団であるCardiosphere-derived cellls(CDCs)の単離に成功しており、in vitro実験により進展刺激が細胞の生存性、増殖、アポトーシスを誘導することを明らかとしている。これらの実験結果を元に本年度は、マウス局所性心移植モデルを用いて機械的進展ストレスの軽減が移植CDCsの生存性や生着性に与える影響について検証した。マウス心臓には冠動脈左前下行枝の結紮による梗塞処理を施し、1.対象群としてCDCを移植したマウス、2.梗塞心を別のマウスの腹腔に移植しCDCsを移植した群(実験群)とに分けた実験系を用いた。また、移植細胞にはGFPを発現するCDCsを用いた。その結果、機械的進展ストレスを軽減した梗塞心に移植した群において、CDCsの有意な生存性の亢進と増殖細胞数の増加が認められた。興味深いことに、機械的進展ストレスを軽減した群において梗塞心におけるSca-1陽性の心筋幹細胞数の増加が認められた。これらの結果は、不全心における細胞生着性の低さが、従来考えられてきた心臓の不全によるものではなく、機械的進展ストレスによる細胞への何らかの影響によって生じている可能性を示唆している。現在、機械的ストレスと移植細胞との間に存在する細胞間コミュニケーションについての検証を進めている。
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