2014 Fiscal Year Annual Research Report
次世代NKT細胞免疫治療に向けた肺癌微小環境下の抗腫瘍エフェクター機構の解明
Project/Area Number |
24592083
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
本橋 新一郎 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60345022)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 免疫学 / NKT細胞 / 免疫療法 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性腫瘍に対する強力な抑制効果を有するNKT細胞を用いた免疫細胞治療により、有効で侵襲性の低い肺癌の新規治療を確立することを目的として、免疫系ヒト化マウスを用いたNKT細胞免疫治療モデルにおいて、その治療効果発揮メカニズムを明らかにするとともに、治療効果予測バイオマーカーを探索する研究を行った。 重度複合免疫不全マウスであるNOD/SCID/IL2Rγ-/-マウスは、通常困難なヒト各種細胞の移植が可能で、ヒト疾患をマウス上に再現し、腫瘍局所での解析を可能とする。このマウス上に、異所性および同所性にヒト悪性腫瘍細胞株を移植するヒト肺癌モデルと、免疫細胞投与による治療効果の画像評価法を確立した。このマウスモデルにおいて、ヒト肺癌のモデル抗原としてmesothelinを発現する細胞株を皮下に投与し、遺伝子導入法を用いて作成したmesothelin特異的T細胞によるin vivoでの抗腫瘍効果を検討したところ、末梢血単核球由来活性化NKT細胞の併用によって明らかに腫瘍縮小効果は増強した。増強効果のメカニズム解析のために腫瘍浸潤リンパ球を回収し、T細胞およびNKT細胞のサイトカインの産生能を検討すると、活性化NKT細胞の併用により腫瘍浸潤T細胞の増加とインターフェロンγ産生増強を認めた。 更にマイクロアレイを用いた網羅的遺伝子発現解析にてNKT細胞免疫治療後に発現上昇を認めた遺伝子の一つの作用機序を解析したところ、発現上昇した遺伝子の強制発現によりTh1サイトカインの産生増強とTh2サイトカインの産生抑制を認め、腫瘍から産生されるProstaglandin E2による免疫抑制効果をキャンセル出来ることが明らかとなった。この遺伝子の発現状態を人為的に操作することで、NKT細胞免疫療法の効果を増強出来る可能性が示唆され、更なるメカニズム解析を実施している。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Identification of chimeric antigen receptors that mediate constitutive or inducible proliferation of T cells.2015
Author(s)
Frigault, M. J., Lee, J., Basil, M., Carpenito, C., Motohashi, S., Scholler, J., Kawalekar, O. U., Guedan, S., McGettigan, S., Posey, A Jr., Ang, S., Cooper, L. J., Platt, J., Johnson, F. B., Paulos, C. M., Zhao, Y., Kalos, M., Milone, M. and June, C. H.
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Journal Title
Cancer Immunol. Res.
Volume: 3
Pages: 356-67
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Unique expression features of cancer-type organic anion transporting polypeptide 1B3 mRNA expression in human colon and lung cancers: potential biomarker implications.2014
Author(s)
Sun, Y., Furihata, T., Ishii, S., Nagai, M., Harada, M., Shimozato, O., Kamijo, T., Motohashi, S., Yoshino, I., Kamiichi, A., Kobayashi, K. and Chiba, K.
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Journal Title
Clin. Transl. Med.
Volume: 3
Pages: 37
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Antigen Specific Immunotherapy Based on Chimeric Antigen Receptor Expressing T Cells Targeted to Salivary Gland Tumor2014
Author(s)
Kunii, N., Makita, Y., Ihara, F., Uchida, R., Fujikawa, A., Sakurai, D., Motohashi, S., Nakayama, T. and Okamoto, Y.
Organizer
第43回日本免疫学会学術集会
Place of Presentation
国立京都国際会館 (京都府・京都市)
Year and Date
2014-12-11
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[Presentation] 原発性肺癌に対するNKT細胞免疫療法におけるPD-1阻害の有用性2014
Author(s)
鎌田 稔子, 鈴木 茜, 藤川 陽, 三瀬 直子, 蒔田 勇治, 吉田 成利, 鈴木 秀海, 中島 崇裕, 岩田 剛和, 吉野 一郎, 中山 俊憲, 本橋 新一郎
Organizer
第55回日本肺癌学会学術集会
Place of Presentation
国立京都国際会館 (京都府・京都市)
Year and Date
2014-11-15
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[Book] がんと免疫2015
Author(s)
坂口 志文, 西川 博嘉, 池田 裕明, 小笠原 康悦, 本橋 新一郎, 廣田 圭司, 瀬谷 司, 中山 睿一, 河上 裕, 藤井 眞一郎, 垣見 和宏, 竹内 理, 島田 眞路, 小澤 敬也, 河本 宏, 玉田 耕治, 藤堂 具紀, 佐藤 昇志
Total Pages
印刷中
Publisher
南山堂