2012 Fiscal Year Research-status Report
肺移植の拒絶反応抑制のためのサイトカイン受容体脱リン酸化分子標的療法の開発
Project/Area Number |
24592089
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中桐 伴行 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70528710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 正人 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (10240847)
井上 匡美 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10379232)
奥村 明之進 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40252647)
澤端 章好 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50403184)
新谷 康 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90572983)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | IL-6 / Th17 / 抗リン酸化 |
Research Abstract |
肺移植後の予後を決める最大の要因は慢性拒絶である。その慢性拒絶は、病理学的に閉塞性細気管支炎(Bronchiolitis Obliterans: BO)として診断されるが、その病態はまだ不明なところが多い。移植後の臓器拒絶の主な原因は免疫応答によるものであり、その免疫応答はT細胞によって制御されている。特にhelper T細胞が関与しているといわれているが、これまではTh1とTh2の2分画にのみ分けられ、そのバランスによって制御されているといわれていた。しかし近年、制御性T細胞(Treg)という免疫寛容をつかさどる分画が見つかり、さらにここ数年でTリンパ球の新しい分画であるTh17や、Pro-inflammatory cytokineであるIL-6が関与していることが明らかにされつつある。Th17はTh1およびTh2と同じくeffector T細胞の分画であるが、naïve T細胞から分化する際、Tregと共通の刺激因子TGFβを必要とし、その方向性を決定づけるのはIL-6の存在である。IL-6はTh17の分化に必要であり、Tregの分化を抑制する。これまでの研究により心・肝・腎移植後の拒絶にTh17が関与していることが明らかになっており、我々の研究でBOの形成にも関与していることが分かった。 我々はすでに、そのIL-6の受容体を阻害することによって、BO形成を抑えることができることを報告している。今年度は、IL-6の受容体シグナルの伝達を脱リン酸化物質を用いることにより、抑制することにより、病理学的にBO形成を抑制できることまで実験を行った。また、メッセンジャーRNAレベルで、IL-6およびIL-17の産生が抑制されていることも分かった。現在、最近報告されているIL-6増幅回路の関与が無いかを検索中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調に研究は進んでいる
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Strategy for Future Research Activity |
抗リン酸化物質のIL-6増幅回路への関与を調べ、今後の研究、治療につなげていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
抗リン酸化物質投与によるIL-6増幅回路の回転低下の確認 具体的には回路と中の産物(EGFR)や回路伝達物質IL-7の産生量の確認を行う。 また、現在調べている抗リン酸化物質のほかに、同様の効果が規定できる物質が無いか、検索・確認していく。
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[Journal Article] IL-6 amplifier activation in epithelial regions of bronchi after allogeneic lung transplantation.2013
Author(s)
Lee J, Nakagiri T, Kamimura D, Harada M, Oto T, Susaki Y, Shintani Y, Inoue M, Miyoshi S, Morii E, Hirano T, Murakami M, Okumura M.
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Journal Title
Int Immunol.
Volume: Epub
Pages: Epub
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[Journal Article] IL-6 amplifier, NF-κB-triggered positive feedback for IL-6 signaling, in grafts is involved in allogeneic rejection responses.2012
Author(s)
Lee J, Nakagiri T, Oto T, Harada M, Morii E, Shintani Y, Inoue M, Iwakura Y, Miyoshi S, Okumura M, Hirano T, Murakami M.
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Journal Title
J Immunol.
Volume: 189
Pages: 1928-26
DOI
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