2013 Fiscal Year Research-status Report
肺癌における染色体不安定性の解明と治療抵抗性克服への展開
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24592095
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡本 龍郎 九州大学, 大学病院, 助教 (80568626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波呂 祥 九州大学, 大学病院, その他 (90546558)
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Keywords | 肺癌遺伝子異常 |
Research Abstract |
[方針] ①DNA損傷応答(DDR)関連分子(Chk2, BRCA1, ATM等)の肺腺癌における発現異常、機能異常の有無を検討し、染色体不安性の関係を調べる。②非小細胞肺癌におけるCINと臨床肺癌におけるdriver遺伝子変異との関係を明らかにし、発癌・増殖における役割を解明する。[方法]①非小細胞肺癌切除検体におけるDDR関連因子(Chk2, BRCA1等)のmRNA発現を解析する(qRT-PCR)。DDR関連因子の活性化レベルをリン酸化タンパクに対する免疫染色にて解析する。EGFR遺伝子、p53遺伝子、k-RASそれそれの遺伝子変異が判明している肺腺癌DNAサンプルを用いて染色体不安定性をSNP arrayにて評価し、他因子との関連を検討する。②EGFR遺伝子変異、K-RAS遺伝子変異およびp53遺伝子変異が判明している肺腺癌66例のパネルにおいてaneuploidyをレーザスキャンニングサイトメーター(LSC)法にて検討し、遺伝子変異との関係を検討する。[現在までの経過]①腺癌症例66例においてBRCA1、Chk2遺伝子発現をRT-PCRにて解析した。59例で解析可能であった。Chk2免疫染色の 条件設定を行った。SNP array CGHに20サンプルを提出: 構造変化の多いサンプル(%def>16%: n=8)をCIN+ 、少ないサンプル(%def<16%: n=12)をCIN-としたところ、CIN+のものはChk2発現レベルが高かった。②DNA ploidyをレーザスキャンニングサイトメーター(LSC)法にて157例の解析を施行し、同症例においてEGFR変異の解析を終了した。今後、PloidyとEGFR変異の関係を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実際、臨床肺癌の手術検体のSNP-CGHにより、CINの程度に差があること、DNA損傷応答因子の発現量とCINとに相関関係があることが示された。CINと肺癌の再発や化学療法耐性との関与を検討中である。 肺癌組織は、他の癌腫のサンプルと比較して細胞密度が低いため、レーザスキャンニングサイトメーター(LSC)法でのaneuploidyの検討に向かないことが判明した。 今後、肺癌におけるCINと遺伝子増幅の関係を検討する予定。
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Strategy for Future Research Activity |
PCR、ダイレクトシーケンス、LCS、免疫組織化学染色、免疫蛍光化学染色、ウエスタンブロットによるタンパク質発現解析など、研究試薬や物品等の消耗品に使用する予定。 研究成果として、国内外の学会にて発表を予定している。国内の学会では肺癌学会、日本外科学会などを予定している。
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