2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24592096
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
池田 公英 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (20448525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 健治 熊本大学, 医学部附属病院, 特任助教 (70363538)
鈴木 実 熊本大学, 生命科学研究科, 教授 (80312940)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 肺腺癌 / 多発肺腺癌 / EGFR / メチル化異常 |
Research Abstract |
平成24年4月以降、当初の計画通り、遺伝子解析の同意を得た患者からの血液サンプル、切除肺サンプルの蓄積と、遺伝子の抽出。血液由来DNAにおけるEGFR遺伝子多型の解析、Pyroseqence法を用いたLINE-1 遺伝子メチル化の解析、肺癌切除標本における既知遺伝子変異の解析をおこなってきた。現在の段階の解析の結果は、①EGFR遺伝子の多型(intron1 CA repeat多型、SNP -216GT, SNP -191CA)について多発肺腺癌症例51例とコントロール群136例において解析を行ったが、肺癌発生との明らかな相関は確認できなかった。しかし同時に行ったCYP19A1 のSNPに有意に多発肺腺癌の発生との有意な相関を発見することができ、今後症例の蓄積ならびに論文、学会発表を行っていく予定である。②LINE-1のメチル化定量により推定されるゲノム全体の低メチル化が多発肺腺癌、また肺腺癌発生におよぼす影響であるが、正常肺におけるメチル化の程度で、多発肺腺癌あるいは肺腺癌の発生との有意な関連性は見出すことはできなかった。しかしながら、腫瘍部におけるメチル化の程度が肺腺癌の予後因子として有用であることが証明でき、今後論文、学会での発表を予定している。③上記バイオマーカーと既知遺伝子変異(EGFR, k-ras, EML4-ALK)との関連性であるが、解析したSNPやLINE-1のメチル化の程度との明らかな関連は見出せてはいない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在の段階の解析の結果は、①EGFR遺伝子の多型(intron1 CA repeat多型、SNP -216GT, SNP -191CA)について多発肺腺癌症例51例とコントロール群136例において解析を行ったが、肺癌発生との明らかな相関は確認できなかった。しかし同時に行ったCYP19A1 のSNPに有意に多発肺腺癌の発生との有意な相関を発見することができた。②LINE-1のメチル化定量により推定されるゲノム全体の低メチル化が多発肺腺癌、また肺腺癌発生におよぼす影響であるが、正常肺におけるメチル化の程度で、多発肺腺癌あるいは肺腺癌の発生との有意な関連性は見出すことはできなかった。しかしながら、腫瘍部におけるメチル化の程度が肺腺癌の予後因子として有用であることが証明できた。③上記バイオマーカーと既知遺伝子変異(EGFR, k-ras, EML4-ALK)との関連性であるが、解析したSNPやLINE-1のメチル化の程度との明らかな関連は見出せてはいない。 研究の進捗状況は順調で、当初予定していた研究の内容はほぼ達成することができた。当初予測したような研究の結果は得られていないが、本研究において解析した遺伝子多型の中から、多発肺腺癌の発生の原因となりえる、新たな候補を見出すことができた。本分野における重大な発見へと進展することが期待され、研究を行ってきた目的は十分に達成されたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
①今後も症例の蓄積を行い、EGFRの遺伝子多型が肺腺癌の発生や臨床病理学的因子との関連性を見出せないか検討を行っていく。 ②LINE-1の低メチル化が肺腺癌の臨床病理学的因子ならびに予後との関連に及ぼす影響の調査を症例を蓄積し解析する。 ③新たに見出されたCYP19A1遺伝子多型と多発肺腺癌発生との関連性の検討を続行する。 ④現在までの知見から論文、学会発表を行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
①研究の継続に必要な物品費、人件費として使用する。 ②現在までの研究結果の発表に必要な経費(英文校正、投稿費、旅費)として用いる。
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