2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24592103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
臼田 実男 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60338803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 徳彦 東京医科大学, 医学部, 教授 (70246205)
石角 太一郎 日本医科大学, 医学部, 助教 (60424488)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 小型肺癌 / 光線力学的治療 / レーザー |
Research Abstract |
画像伝送とレーザー照射が同時に施行可能な複合型光ファイバーを使用してまず、ブタ正常末梢肺の観察と光線力学的治療による効果について検討を行った。 本研究では、日本原子力研究開発機構と共同で直径1mm径、画像伝送、レーザー照射が「八の字」状になるファイバーを作成した。 体重10-12kgのクラウンミニブタを使用して、全身麻酔下に光感受性物質であるレザフィリンを10 mg/kgを静脈投与直後に、極細複合型光ファイバーをブタ末梢肺を観察した。あらかじめガイドシースを末梢肺で留置し、その中から生食を通し、肺末梢を拡張させることで、末梢肺野の観察が可能だった。 ブタ体内におけるレザフィリン代謝速度などの検討から、投与後1時間までがPDTに適切な濃度であると報告されているため、本研究では、レザフィリン投与後30分で極細複合型ファイバーを使用して664 nmのレーザー光を11分7秒照射し、正常肺野に対する光線力学的治療(100 J/cm2, 150 mW)を施行した。PDT後、ファイバーの損傷もなく、熱発生も認めなかった。また、複合型光ファイバーは血流計測も可能であり、PDTを施行中にレーザー先端の血流をモニタリングすることで、PDTの進行状態を観察することができた。レザフィリンによるPDTは、vascular shut down effectといわれる末梢血管ダメージを引き起こすことが知られており、PDT後にはレーザー照射された部位の血流がほぼ消失していることが観察された。PDT施行、7日後にブタの肺を摘出して、病理学的に検討を行ったところ、マクロの所見で平均15 mm前後の壊死組織が確認された。極細複合型光ファイバーによる末梢肺野の観察は可能で、同部位へのPDTにより治療効果が十分期待されると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度中に所属研究施設が移動になったため、論文化、ヒトへの応用のための倫理委員会の承認などの準備に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ヒト末梢型小型肺腺癌に対する極細複合型光ファイバーを使用した PDTの安全性、有効性についての検討を計画している。日本医科大学付属病院における倫理委員会の審査承認後、本試験の実施を開始する。また、本試験にあたっては、東京医科大学外科学第1講座、国立がん研究センター呼吸器内視鏡科と連携していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ヒトに対するPDTは、実際の保険診療で施行可能であるため、複合型光ファイバーの保守、点検、修理などに使用する。また、世界でまだ誰も施行していないオリジナリティーの高い治療法であるため、全世界にむけて発信するために国際学会での発表、論文化などに使用する。
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Research Products
(5 results)