2013 Fiscal Year Research-status Report
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24592103
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
臼田 実男 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60338803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 徳彦 東京医科大学, 医学部, 教授 (70246205)
石角 太一郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (60424488)
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Keywords | 小型肺癌 / 光線力学的治療 / レーザー |
Research Abstract |
画像伝送とレーザー照射が同時に施行可能な複合型光ファイバーを使用して、肺癌のために摘出されたヒト肺に対して安全に誘導可能か、レーザー照射が可能であるか検討を行った。本研究では、日本原子力研究開発機構と共同開発したで直径1mm径、画像伝送、レーザー照射が「八の字」状になる複合型光ファイバーを使用した。 ① 摘出された肺にある気管支から空気を早期して、肺を膨張させ気管支鏡検査で通常使用しているガイドシース(SG200C、最大外径1.95 mm、オリンパス社製)を肺癌病巣まで誘導した。ガイドシース内に生食を注入し、末梢肺、肺癌病巣近傍を拡張させた。そこに、ガイドシース内に直径1mmの複合型光ファイバーを挿入し病巣近傍の末梢気管支を観察した。肺胸膜側から複合型光ファイバーの先端部位を確認し、さらに摘出肺ごとX線撮影を施行し、腫瘍局在、ガイドシース、複合型光ファイバーの位置を確認した。その後、664nmの赤色レーザー光を照射したところ、肺胸膜側からレーザー光を観察することができた。 ② 肺癌のために胸腔鏡下に肺葉切除予定の症例において、全身麻酔科に気管内チューブよりガイドシースを腫瘍近傍まで留置し、ガイドシース内に複合型光ファイバーを挿入した。胸腔鏡を用いて、複合型光ファイバーの先端が肺胸膜近傍の腫瘍の位置にあることをレーザー光をガイドに確認することができた。 これらのことから、ヒト肺末梢側に複合型光ファイバーを安全に誘導し、そこで安全、正確に低出力レーザー光を照射することは可能だった。また、末梢気管支の観察も可能だった。今後、以上の結果をもとに、末梢型小型肺癌に対して複合型光ファイバーを使用した光線力学的治療を施行する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度中に所属研究施設が移動になり、研究体制の整備に遅れが生じたために本来予定していた研究遂行に数か月の遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
複合型光ファイバーのヒト末梢肺野への誘導、レーザー照射は安全であることが確認された。「末梢型肺がんに対する光線力学的治療に関する臨床研究」について国立がん研究センター中央病院内視鏡科、東京医科大学外科との共同の臨床試験を開始したところで、現在、日本医科大学付属病院において倫理委員会の審査、承認待ちの状況である。国立がん研究センター中央病院での倫理委員会の承認は済み、3施設で同じ内容である。本年度は、予定どおり末梢型小型肺腺癌に対する複合型光ファイバーを使用した光線力学的治療の症例をかさねていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
施設移動のために、海外おいて研究成果の報告、学会発表、研究調査する機会がなかったため、旅費の多くが繰り越しになってしまった。 また、臨床試験の開始が本年度になるため、複合型光ファイバーの保守、改良費などの予算が繰り越しになった。 本年度は、「複合型光ファイバーを用いた末梢小型肺癌に対する光線力学的治療」の臨床試験を開始するため、複合型光ファイバーの保守、改良などの助成金を適切に使用する。臨床試験のデータ、ブタを使用した実験データなどの解析のたにコンピューター、解析ソフトなどに適切に使用し、海外で研究成果を発表するために旅費を計上します。
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