2013 Fiscal Year Research-status Report
中枢型肺がんに対する凍結融解療法を用いた新規内視鏡治療の開発
Project/Area Number |
24592105
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
石角 太一郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (60424488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
臼田 実男 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60338803)
池田 徳彦 東京医科大学, 医学部, 教授 (70246205)
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Keywords | 中枢型肺癌 / 凍結融解療法 / 気管支鏡 |
Research Abstract |
本研究は中枢型肺がんに対する凍結融解療法を用いた新規内視鏡治療法の開発が目的である。まず基礎実験として、クラウン系ミニブタの気管と気管支を対象に全身麻酔下にて凍結融解療法を施行した。治療後に取り出した検体を病理学的に検証し、気管、気管支壁に対する治療効果ならびに安全性の確認を行った。また、至適条件の決定のために部位別の治療時間と治療効果の相関性を検証した。 実験はブタの気管側壁、気管膜様部、主気管支壁、葉気管支壁、末梢肺に対して治療を行った。治療部位を病理学的に検討したところ、治療時間に比例して気管支粘膜上皮、粘膜下層において深部への壊死が認められた。しかしながら5分間凍結融解しても気管軟骨、気管支軟骨部の構造は保たれていた。さらに同一部位への治療を続けたところ10分間で軟骨部に一部傷害が認められたものの、表面のみで穿孔等の合併症を引き起こすような深達度ではなかった。気管支筋層はプローブ接触時間が短い場合でも壊死、断裂が認められ、筋層への凍結治療効果が示唆された。 以上の結果より、in vivoでの大型動物の気管、気管支上皮に対する凍結融解療法の安全性、治療時間と治療効果の相関性が確認できた。今後はLewis lung carcinoma (LLC) 細胞担がんマウスに対する抗腫瘍効果および至適条件の決定を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度、2年度は研究計画で予定していた大型動物を用いて、気管、気管支に対する凍結融解療法の治療効果と安全性、治療時間と治療効果の相関性を検証した。また、中枢気道の側壁や膜様部はプローブを用いてあらゆる箇所の凍結融解可能であること、治療が長時間にわたっても気管気管支軟骨への傷害は軽度であり治療の安全性が再度確認できた。これらの成果は次年度以降の研究推進に非常に有用であると考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は引き続きLewis lung carcinoma (LLC) 細胞を用いた凍結融解療法の抗腫瘍効果を病理学的に検証し、至適条件の下で現行の治療法である光線力学的治療法(Photodynamic therapy: PDT)と比較検討を行う。また、従来のプローブ接触式と液体窒素を噴霧するスプレー式との抗腫瘍効果の比較検討を行った上で、より高い抗腫瘍効果が得られるようにスプレー式の至適条件も決定する予定である。さらに気管支鏡の鉗子口を介して最も効果的に凍結融解療法を行いうる内視鏡専用スプレー式プローブモデルを開発、作製し、その有効性と安全性を検証していく方針である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究はおおむね順調に進んでいるものの、当初25年度に予定していた光線力学的治療法(Photodynamic therapy: PDT)との比較検討を現在行っている状況で、その実験に使用する物品等を次年度使用額に計上する予定である。 肺がんに対する凍結融解法の抗腫瘍メカニズムならびに治療の至適条件決定のために担がんマウスの作製にC57BL/6マウスを用いる。作製した担がんマウスの腫瘍に対してFreezor + Cryoconsoleを用いてプローブ接触式凍結融解法を施行し、腫瘍径を計測しながら約6週間にわたり観察を行う予定である。同時に、観察群とは別に治療直後と治療後1週間の腫瘍検体を摘出し、凍結凝固の影響と抗腫瘍効果を病理学的に検証する予定であり、次年度ではこれらの実験に必要なC57BL/6マウスと消耗品を購入する。さらに、現行の治療法であるPDTと凍結融解療法における抗腫瘍効果の比較検討を行うため、光感受性物質等の薬剤も購入する。上記の実験に必要な消耗品費は次年度の支払請求書で記載した支出額に収まる予定である。また、これまでの実験結果を国内はじめ海外の国際学会で発表、報告する予定である。
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