2012 Fiscal Year Research-status Report
肺腺癌の転移機構:HIF-1/ヒストン修飾調節によるAQP1の過剰発現
Project/Area Number |
24592106
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
町田 雄一郎 金沢医科大学, 医学部, 助教 (50460366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 善道 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50271375)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 肺癌 / AQP1 / ヒストン修飾 / 術後再発 |
Research Abstract |
申請者は、術後転移・生命予後と AQP1過剰発現による浸潤先進部の関係を明らかにした。AQP1は進行性肺癌の制御法確立のための標的分子となる可能性が示唆されるが、その発現誘導機構は未知である。今回我々は、肺癌組織92例を用いてAQP1とヒストン修飾の関係について調べた。用いたヒストン修飾は、H3K4dime(dimethylated histone 3 lysine 4), H3K9Ac(acethylated histone 3 lysine 9), H3K18Ac(acethylated histone 3 lysine 18), H3K27trime(trimethylated histone 3 lysine 27), H4R3dime(dimethylated histone 4 arginine 3)の5つを用いた。 結果は、AQP1と用いたヒストン修飾に明らかな有意差は認めなかった。しかし、H3K4dime(dimethylated histone 3 lysine 4)の発現と術後再発に有意差を認めた(p=0.039)。また、Kaplan-Meier法のlog-rank検定では、p<0.05で有意であった。単変量解析では有意差を認めたが、多変量解析では有意差を認めなかった。術後再発した症例3例と術後再発しなかった症例3例を用いて、Western blot法を施行したところ、術後再発した3例全ての症例でH3K4dimeの発現を認め、術後再発しなかった症例3例ではH3K4dimeの発現は認めなかった。また、H3K4dimeとFDG-PETの集積や細胞増殖因子の関連も示唆された。 以上より、肺癌において、ヒストン修飾であるH3K4dimeが重要な因子であることが解明された。今後はさらにH3K4dimeの役割を解明していくつもりである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
肺癌組織を用いて実験を行った結果、AQP1と用いたヒストン修飾には明らかな関係を認めなかった。そのため、用いたヒストン修飾における肺癌組織の役割を解明した。本来の実験から少しずれてしまったが、ヒストン修飾の新たな役割を見つけることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はin vitroにおける実験を行い、再度AQP1やヒストン修飾の評価していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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