2014 Fiscal Year Annual Research Report
肺腺癌の転移機構:HIF-1/ヒストン修飾調節によるAQP1の過剰発現
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24592106
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
町田 雄一郎 金沢医科大学, 医学部, 助教 (50460366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 善道 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50271375)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 肺癌 / ヒストン修飾 / HIF-1α / AQP1 / LSD1 |
Outline of Annual Research Achievements |
エピジェネティックな制御は,おもにDNAメチル化とピストン修飾によりおこなわれ,両者は協調して遺伝子転写を制御し、癌抑制遺伝子の不活化に重要な役割を果たす。 【in vitroでの比較検討】 肺腺癌組織におけるヒストン修飾について臨床病理学的に検討した。Cox比例ハザードモデルを用いて肺腺癌の術後再発とヒストン修飾の発現の関連を解析し、Kaplan-Meyer法により作製した生存曲線をlog-rank testにより検定した。更に、Western blot法による蛋白発現を加えた。肺癌全体における再発率・生存率に関してLSD1の高発現は有意差を認めなかったが、早期の肺癌における再発率・生存率に関してLSD1の高発現は有意差を認めた。術後再発及び生存に関して、肺癌の術後再発率と死亡率に有意な関連性を認めた。単変量解析で有意な関連性を認め、多変量解析では有意な傾向を示した。 Western blot法では、StageⅠの肺癌においてLSD1は術後再発を認めなかった肺癌よりも再発を認めた肺癌で強く集積を認めた。早期肺癌におけるLSD1とHIF-1α及びAQP1との関連性は認められず、今回の実験では関連性を指摘することはできなかった。さらにこのLSD1しかしながら、早期の肺癌の進展において、LSD1は重要な因子であることが示唆され、肺癌の進展に寄与するものと考えられた。 【in vivoでの遺伝子発現の比較検討】 4つの肺腺癌細胞株(A549, ABC1, RERF-LC-Ad1, RERF-LC-MS)を使用した。21%酸素下で培養した細胞株とBIONIX-2(スギヤマゲン、日本)を用いて1%酸素下72時間で培養された細胞株を作製し、Western blot法を用いてタンパクの発現を評価した。LSD1は、21%下の4つ細胞株で発現を認め、1%下の細胞株では21%下の細胞株に比べて発現は不変であった。LSD1とAQP1・EZH2との関係ははっきりしなかった。
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