2014 Fiscal Year Annual Research Report
悪性胸膜中皮腫における診断および治療の標的となる腫瘍関連遺伝子の探索
Project/Area Number |
24592107
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
竹中 賢 産業医科大学, 医学部, 助教 (80620351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 文啓 産業医科大学, 医学部, 教授 (10283673)
重松 義紀 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (10546469)
花桐 武志 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (30299614)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | MPM / EMT / biomarker / serum |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の報告にてmalignant pleural mesothelioma (MPM)とEpithelial Msenchymal Transition (EMT) 関連マーカー(E-cadherin、γ-catenin、vimentin、fibronectin、Twist、YB-1)発現の有無との相関を報告した。 fibronectinを除くEMT関連マーカーの発現が悪性胸膜中皮腫患者に頻繁に発現したが、EMTマーカーと臨床病理学的特性との間に有意な関連は認められなかった。しかしながらγ-catenin発現陰性かつTwist発現陽性は予後不良因子であり、悪性胸膜中皮腫の患者、特に上皮型の症例においての予後を予測することができる可能性を示唆した。上皮型の症例の中にも肉腫型と同等の生物学的動態を示す症例は臨床現場においてよく経験するが、この結果は上皮型の症例の中でも比較的、病期進行度の高い症例における治療方針の決定の一助となる可能性があると考える。 前年度の報告では悪性胸膜中皮腫患者33例を対象としていたが解析症例の増加が急務であると考え、今年度は悪性胸膜中皮腫患者データベースの整理と検体採取に従事した。2004年から2014年までの悪性胸膜中皮腫組織採取症例は55例に及び今後はこれらの症例を基に、EMT関連マーカーの免疫染色の追加や悪性胸膜中皮腫患者の血清を用いた新たなバイオマーカーの探索を行っていく予定である。
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