2013 Fiscal Year Research-status Report
光機能性有機蛍光プローブによる微小がん・微小転移の検出 =肺癌を中心に=
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24592109
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
坂尾 幸則 公益財団法人がん研究会, がん研究所 病理部, 研究員 (00274605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
文 敏景 公益財団法人がん研究会, 有明病院 呼吸器外科, 副部長 (10574642)
奥村 栄 公益財団法人がん研究会, 明病院 呼吸器外科, 部長 (40465935)
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Keywords | イメージング / 有機プローブ / 肺がん |
Research Abstract |
平成24-25年度で、肺癌151例において、有機プローブを用いた癌細胞検出の検索を行った。内訳は、原発性肺がん121例、転移性肺腫瘍30例である。それらのうち、わずかでも蛍光が観察された例数は、原発性肺がんで75例(蛍光陽性率は62%)、転移性肺腫瘍では27例(同90%)であった。この場合の陽性の判定は、正常組織での蛍光の有無にかかわらず、腫瘍組織でわずかでも蛍光の見られたものを陽性としており、陽性率は比較的高く、特に転移性肺癌で高かった。 今後の課題としては、(1) 肺癌および転移性肺腫瘍にはいくつかの組織型があり、組織型ごとの陽性率を判定する必要があること、(2) 腫瘍組織の蛍光のみでなく、同一症例の正常組織における蛍光強度との比較により、陽性率を判定する必要があること、が上げられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの2年間は、肺癌においてこの有機プローブがどのように作用するかを大まかに見きわめるため、とにかく例数を増やすことに努めた。全ての組織型を対象に、早期の原発巣から、播種まで収集した。その結果、原発性および転移性の肺癌の151例で、データを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、さらに例数を増やすと共に、最終年度でもあるので、肺癌の組織系別、進行度別に、本GGTプローブの発現をまとめる。 また、その際に、陽性と判定するクライテリアを決める作業を行う。腫瘍組織と共につねに正常組織の蛍光発光も調べているので、その比率により判定するという方向で決めていきたい。また、原発性肺癌、転移性肺腫瘍は、さまざまな組織型のある点が特徴であるから、各組織型ごとの傾向データをまとめ、腫瘍の個別化を進める。 また、本研究は早期がんの検出が主要な目的であるが、それと共に、播種巣の検出も目的の一つにしている。肺癌の手術療法では、播種巣の存在は、手術の可否を決める重要な因子である。
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