2014 Fiscal Year Annual Research Report
光機能性有機蛍光プローブによる微小がん・微小転移の検出 =肺癌を中心に=
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24592109
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
坂尾 幸則 公益財団法人がん研究会, その他部局等, 研究員 (00274605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
文 敏景 公益財団法人がん研究会, その他部局等, その他 (10574642)
奥村 栄 公益財団法人がん研究会, その他部局等, その他 (40465935)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | イメージング / 有機プローブ / 肺がん |
Outline of Annual Research Achievements |
当研究実施期間中に肺がん170例に対して光機能性有機プローブを用いて微小がん細胞の検索を行った。検体は肺組織162例(原発性肺癌127例、転移性肺腫瘍35例)、胸膜播種結節8例であった。それらのうち、有機プローブを用いて同一症例の正常細胞とがん細胞の蛍光強度が比較できなかった46例は除外した。蛍光強度はイメージングシステム(KURABO,マルチスペクトルイメージングシステムMaestro EX-U)を用いて測定した。プローブ散布前の正常細胞の蛍光強度(N0)、がん細胞の蛍光強度(T0)、プローブ散布30分後の正常細胞の蛍光強度(N30)、がん細胞の蛍光強度(T30)を測定した。陽性の判定基準は、がん細胞のみ蛍光した症例ではΔN (=N30-N0) < 0かつΔT (=T30-T0) > 0、がん細胞と正常細胞がともに蛍光した症例では、ΔN > 0かつΔT/ΔN > 1とした。結果、肺がん91例中61例(蛍光陽性率67.0%)、転移性肺腫瘍21例中15例(蛍光陽性率71.4%)、播種結節4例全例(蛍光陽性率100%)で蛍光陽性であった。 同一症例で正常細胞とがん細胞がともに評価できた症例での蛍光陽性率は比較的高かった。 術中にがん細胞が可視化できれば病変部位の同定や広がりの把握、切除範囲の決定などに極めて有用になる。簡便かつ迅速に蛍光を呈する光機能性有機プローブは、微小がん細胞が可視化できるツールといえる。 研究成果報告書では光機能性有機蛍光プローブの蛍光強度に影響を与える因子についても臨床病理学的検討を加えて報告する。
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