2014 Fiscal Year Annual Research Report
脳虚血においてGLP-1がアポトーシスを抑制し神経再生を促進する分子機構の解明
Project/Area Number |
24592118
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
金丸 和也 山梨大学, 総合研究部, 講師 (80402080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀越 徹 山梨大学, 総合研究部, 医学研究員 (50209300)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脳虚血 / 神経保護 / 神経新生 / GLP-1 / 一過性前脳虚血 |
Outline of Annual Research Achievements |
Glucagon-like peptide 1(GLP-1)は血糖降下作用に加えて膵臓β細胞のアポトーシス抑制作用および細胞再生(増殖)作用を有する糖尿病治療薬であるが、種々のアポトーシス誘発刺激に対して細胞保護的に機能することが報告されている。我々はラット一過性前脳虚血モデルを使用し、脳虚血におけるアポトーシスを基盤とする神経細胞傷害および神経新生に対するGLP-1アゴニストであるexendrin-4の効果について検討した。昨年度までに作成したラット一過性前脳虚血モデルの脳切片を使用し研究を行った結果、exendrin-4を虚血7日前から腹腔内投与すると、海馬CA1領域のアポトーシス細胞数は減少する傾向にあることが示された。しかし、アポトーシスの中核となるBcl2ファミリータンパクのリン酸化やその上流の細胞内情報伝達経路であるPI3K/Akt系およびMAPK-JNK系におけるタンパクの活性化、チトクロムC、Smac/Diablo, HrtA2/Omiの定量的評価では有意差が得られず、その抑制機序の解明には至らなかった。また、免疫染色の結果、exendrin-4の投与はKi67陽性細胞数を増加させ、神経新生への関与が示唆された一方で、NestinやDCX, NeuN, GFAP, NG2などの細胞分化マーカーでは有意差が得られず、その神経分化への効果を明らかにすることはできなかった。
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