2012 Fiscal Year Research-status Report
ヒト多能性幹細胞を用いた脊索および神経管Floor plateの発生機序の解明
Project/Area Number |
24592124
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森實 飛鳥 京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点助教 (10528730)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 多能性幹細胞 / 脊索 / 神経 / 分化誘導 |
Research Abstract |
研究の目的 1.ヒト多能性幹細胞(ES細胞:胚性幹細胞、iPS細胞:人工多能性幹細胞)から脊索細胞の誘導法を確立する。 2.同幹細胞由来の脊索細胞、神経細胞を用いて神経管腹側のfloor plate型の細胞を誘導する。 3.Floor plateの発生で働く遺伝子、蛋白質のスクリーニングを行う。 4.得られた知見によりより生体に近い環境でのドーパミン神経、運動神経の分化誘導法を確立し、再生医療や病態解明に役立てる。 平成24年度の成果:マウスES細胞からの脊索誘導の最近の報告(W inziら2011)を基にヒトES細胞、iPS細胞用に改変してプロトコールを作成を試みた。Activin, Wnt、レチノイン酸、BMP、などのシグナル因子、阻害因子、およびbFGFなどの成長因子を分化 ステージによって適宜組み合わせた。まずは第1段階としてmesendodermの誘導に成功した。添加する因子の濃度やタイミング、細胞の培養密度などについて各段階での評価系のマーカーを用いて至適条件を決定た。 Mesendodermからの第2段階の誘導では脊索誘導の指標としてNoto, Foxa2, Shh, Noggin, Chordin, Foxj1等を考えている。Shh, Foxa2の発現が確認されたが、その他のマーカーに関してはまだ発現を確認できていない。今後は分化誘導の至適化を進めていくと共に、適正なマーカーの探索も行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脊索の分化誘導は各ステップ毎に行っていくが、中内肺葉の前駆細胞には誘導ができている。多能性幹細胞の維持などの実験材料の整備などは順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
脊索が誘導できたことを示すために、適宜マウスの胎児脳との比較を行い、マーカーの検索などを進めていく。ヒトの胎児組織は入手困難であり、必要であればサルの胎児組織の入手を考える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
抗体、プライマー、培養器具、分化誘導のための培地、成長因子などの消耗品として使用する。分化誘導法が確立されたら、次は動物実験を行う予定である。
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