2014 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管攣縮のメカニズム ABCA1を介するコレステロール代謝による制御
Project/Area Number |
24592130
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
小泉 博靖 山口大学, 医学部, 特別医学研究員 (40423389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白尾 敏之 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70448281)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | コレステロール / 脳血管攣縮 / くも膜下出血 / ABCA1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はくも膜下出血(SAH)後に発症する脳血管攣縮のメカニズムを解明するため、1)脳血管攣縮におけるコレステロールの影響の検討、2)ATP-binding casscette transporter A1(ABCA1)を介するコレステロール代謝が脳血管攣縮におけるCa2+感受性機構に及ぼす影響の検討を目的とする。本年度は、正常ラット群、高脂血症ラット群、コレステロール除去剤投与ラット群を用いてSAHモデル(double hemorrhage model)を作成し、コレステロールがSAH後の脳血管攣縮に及ぼす影響を検討した。各群の内頚動脈を採取し、ガスクロマトグラフ法にて血管平滑筋内における総コレステロール濃度を測定したところ高脂血症群で有意に高く、コレステロール除去群では総コレステロール濃度の上昇は抑制された。Cranial window法を用いて各群の脳底動脈径(SAH model, Day5)を測定することで脳血管攣縮の程度を解析したところ、正常群と比較して高脂血症群で著名な脳血管攣縮が認められた。コレステロール除去剤投与群では、コレステロールの負荷が引き起こす血管攣縮の増悪は抑制された。正常群の脳血管攣縮はRho-kinase阻害剤のY27632の後投与にて軽減した。 我々はすでにRho-kinaseが引き起こす血管平滑筋のCa2+感受性機構が血管平滑筋内に含まれるコレステロールによって制御されることを報告しているが、本研究結果から、このメカニズムがSAH後の脳血管攣縮の病態にも関与していることが示唆された。 ABCA1を介するコレステロール代謝と脳血管攣縮についての解析は、ヒト血管平滑筋培養細胞を用いたoxyhemoglobin刺激によるSAH modelの作成には成功したが、SAHによるABCA1の蛋白発現の変化を証明する段階には至っていない。
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[Journal Article] A novel trigger for cholesterol-dependent smooth muscle contraction mediated by the sphingosylphosphorylcholine-Rho-kinase pathway in the rat basilar artery: a mechanistic role for lipid rafts2015
Author(s)
Satoshi Shirao, Hiroshi Yoneda, Mizuya Shinoyama, Kazutaka Sugimoto, Hiroyasu Koizumi, Hideyuki Ishihara, Fumiaki Oka, Hirokazu Sadahiro, Sadahiro Nomura, Masami Fujii, Masakatsu Tamechika, Yoshiteru Kagawa, Yuji Owada, and Michiyasu Suzuki
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Journal Title
Journal of Cerebral Blood Flow and Metabolism
Volume: 印刷中
Pages: 1-8
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant