2013 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン様成長因子-1(IGF-1)による神経保護再生作用の研究
Project/Area Number |
24592139
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
横山 高玲 横浜市立大学, 医学部, 助教 (00347329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 洋 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員准教授 (40244496)
川原 信隆 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60214673)
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Keywords | IGF-1 / IGFBP2 / cerebral ischemia / neuroregenesis / neuroprotection |
Research Abstract |
当該年度は、IGF-1単独投与効果を検討するに当たり、現実的な観点(薬剤(IGF-1、IGFBP-2)投与量、動物飼育場所と数)から、再度マウスによる脳虚血侵襲動物モデルの作成と脳梗塞範囲の検討を行わざるをえなくなった。動物はC57BL/6Jを使用。Isofluraneによる全身麻酔下(ISO濃度0.7-2.0%, Room Air、自発呼吸)に、総頸動脈からの糸上げ法(5-0ナイロン3cm、シリコンゴムコーティング、総頸動脈分岐部より18mm挿入)により90分間左中大脳動脈を閉塞、その後threadを抜去し、総頸動脈を結紮して覚醒させた。7日後麻痺の有無を調べた後、脳を摘出し凍結切片を作成し、Cresyl Violet染色を行い、脳梗塞体積を計測した。結果は、生存率約60%、7日目の片麻痺率は約50%、脳梗塞体積はコントロール群と比較して30%前後であった。この条件下に、梗塞作成後1日目で片麻痺を後遺した動物にIGF-1を20ug IP one shotで投与して、同様に評価した。しかし、生存率・片麻痺率・脳梗塞体積、ともに薬剤非投与群と差がない結果となり、投与条件の再検討が必要である。しかしながら、平成26年度は、研究代表者が当研究施設退職することになり、当該研究を継続することが困難となった。最近当研究に類似した論文が発表され(BMC Neurosci. 2013; 14: 158.)、in vitroでOGDにより神経細胞・グリア細胞ともにIGFBP2の発現が亢進し、マウスのMCAOモデルで、虚血再灌流72時間後に、虚血コア・ペナンブラ・虚血側嗅球におけるIGF-1とIGFBP2の発現が有意に亢進していることが報告された。その他、IGFBP-2のIGF-1促進効果やIGF-1非依存性作用の報告も散見されるようになり、当研究の妥当性が図らずも他の研究によって先に証明されつつある。将来可能であれば、IGF-1とIGFBP-2投与の研究を再開したいと考えている。
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