2013 Fiscal Year Research-status Report
2型糖尿病合併脳梗塞における虚血性細胞障害増悪のメカニズムの追求と新規治療の試み
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24592147
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
桂 研一郎 日本医科大学, 医学部, 准教授 (50297892)
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Keywords | 高血糖ラット / 骨髄単核球移植 / バルプロ酸 |
Research Abstract |
これまで通常血糖ラットの脳梗塞モデルは色々存在するが、糖尿病ラットの脳梗塞モデルは確立されたものが存在していない。そこで糖尿病ラット(GKラット)をもちいた再現性のある脳梗塞モデルを作成するために、一側中大脳動脈90分閉塞および、対側の内頚動脈を15分、30分、45分閉塞するモデルをそれぞれ12匹ずつ作成し、脳神経徴候、脳梗塞体積、動物用MRIによる脳血流の測定をおこない、どのモデルがもっとも再現性がよいかについて検討した。その結果、一側90分中大脳動脈閉塞および15分対側内頚動脈閉塞がもっとも再現性がよく適度な脳虚血が作成されることが判明した。次にこのモデルをつかって、骨髄単核球移植の治療効果をみた。しかしながらやはり虚血の強さにばらつきが多く、モデルとしては不安定な印象がある。また骨髄単核球移植と併用すると、より脳保護効果を増強することが推察されるバルプロ酸に着目し、まずバルプロ酸自体に脳保護効果があるかどうかを確かめるために、一過性中大脳動脈閉塞(90分)モデルを使用し、脳虚血後に時間をかえてバルプロ酸を投与し、虚血90分後に投与しても脳保護効果が存在することを、脳梗塞体積、脳浮腫体積、神経徴候で測定し、そのメカニズムとして抗アポトーシス作用(TUNEL)、抗酸化作用(8―OHdG、4-HNE)、抗炎症作用(MPO陽性細胞、Iba-1)が考えられることを免疫染色にてあきらかにした。今後は、バルプロ酸と骨髄単核球移植の併用により脳保護効果の増強が得られるかどうかについて、まず通常血糖のラットにて検討し論文とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
高血糖ラットを用いた虚血モデルの作成が安定せず、ばらつきが予想より大きいため、薬剤、骨髄単核球移植による治療効果の判定が困難となっている。一側総頸動脈を閉塞したり両側総頚動脈を一過性に閉塞したりして、試みているが、以前として満足いけるレベルのものは得られていない。さらに高血糖ラット(GKラット)は一匹1万5千円以上かかるため、コストがかかりすぎ、予算をオーバーしそうになり、予定どおり進んでいない点があった。
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Strategy for Future Research Activity |
通常血糖ラットにおけるデータはほぼ確認できたので、次は高血糖ラット(GKラット)を使用して、中程度の強さの脳虚血モデルを作成し、治療効果をみていく予定である。MRIやレーザードップラーを用いて虚血中の脳血流の残存率を測定しながら、適切なレベルの虚血がおこっているラットを選択し、実験に用いる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
学会が3月におこなわれたため、旅費の請求が遅くなり4月にはいっていまったため、残存した。さらに、金額が少額なため、新たにGKラットを購入するには匹数が少なくなりすぎ、実験として成り立たなくなる恐れがたかかった。 翌年度分とあわせ、GKラットの購入代金、旅費にあてたいと考えている。
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Research Products
(1 results)