2014 Fiscal Year Annual Research Report
超音波造影剤(ソナゾイド)を用いた脳梗塞に関与する頸動脈プラークの評価
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24592149
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
松本 典子 川崎医科大学, 医学部, 講師 (90388968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 和美 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00388927)
宇野 昌明 川崎医科大学, 医学部, 教授 (90232884)
井口 保之 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30287198) [Withdrawn]
井上 剛 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (80388941)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 頸動脈プラーク / 頸部血管エコー / 超音波造影剤 / 内頸動脈内膜剥離術 / 病理学的所見 / 新生血管 / 不安定プラーク / 造影頸部血管エコー |
Outline of Annual Research Achievements |
背景:プラーク内新生血管は、プラーク内出血、プラークの不安定化に関与すると推察されている。従来の頸部血管エコー検査ではその評価は困難であったが、新たな超音波造影剤を用いた頸部血管エコー検査によりプラーク内新生血管の評価が可能。目的:頸動脈内膜剥離術(Carotid endarterectomy: CEA)施行例に術前に超音波造影剤(ソナゾイド)を用いた頸部血管エコーを行い、超音波所見と病理学的所見について検討する。方法:当院脳神経外科においてCEAを施行した54例(男性51例、年齢68.3±8.3歳)を対象とした。超音波造影剤は、ソナゾイド1.5mLをボーラスで静注後、狭窄部位を観察した。CEAにて得られたプラークはホルマリン固定後、3mm幅でスライスし病理切片を作成、HE染色、免疫染色(CD31、CD68)を行った。結果:54例中45例(83.3%)でプラークの造影効果を認めた。造影効果を認め451例中23例では、点状の造影効果(Spotty group)を、残る22例は線状+点状(Liner group)。の造影効果を認めた造影効果を認めた45例では、認めなかった9例と比べて、プラーク内新生血管の増生(6.31±6.83/2.5mm2 vs. 1.37±1.55/2.5mm2, p=0.002)、マクロファージの集族(8.16±8.97% vs. 4.42±1.48%, p=0.011)を認めた。さらに、Spotty groupとLiner groupの病理所見を比較すると、Liner groupでは、線維性被膜破綻のみが有意に高率であった(86.4% vs. 13.0%, p<0.0001)。結語:ソナゾイドによるプラークの造影効果所見は、新生血管増生、プラーク内出血、FCの非薄化・破綻、マクロファージの集属と関連していた。超音波造影剤を用いた造影頸部血管エコーは、プラーク性状診断に有用と考えられた。
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