2012 Fiscal Year Research-status Report
脳磁図と機能的MRIを用いた脳内ネットワーク変容の解析:難治性てんかんの病態解明
Project/Area Number |
24592159
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
國枝 武治 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60609931)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 理器 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00378754)
松橋 眞生 京都大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (40456885)
宮本 享 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70239440)
澤本 伸克 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90397547)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | てんかん / ネットワーク / 脳磁図 / fMRI |
Research Abstract |
本研究では、「難治性部分てんかん」にかかわるネットワークの統合的研究として非侵襲的検査で想定されたて んかん原性焦点とその領域間連関に焦点をあてる。また、術前評価のために頭蓋内電極の慢性留置か覚醒下手術中記録が必要と考えられる患者を対象とする。てんかん原性に関連するネットワークを非侵襲的にMEG空間フィルター解析法とrs-fMRIの手法で同定して、慢性電極留置中もしくは覚醒下手術時に侵襲的に同定されたてんかん焦点と脳内ネットワークを各領域間の大脳皮質脳波の相関を指標に評価して、病態にかかわるネットワークの動的変容を明らかにする。MEG空間フィルター解析法とrs-fMRIの妥当性と臨床的意義を、ネットワークの分布とその変容の観点から侵襲記録の結果と比較し検証する。 「難治性部分てんかんのネットワーク動態の可視化と評価法の確立」のために、外科的適応のある難治性部分てんかんで、電極埋め込みや覚醒下手術が必要かつ可能な患者で、本研究計画に同意が得られたものを対象とする。術前に、通常の術前評価(頭皮上脳波・MRI・PET・SPECT)に加えて、rs-fMRI、MEG の記録を行なう。非侵襲的計測として、MEG空間フィルター法(sLORETA)による解析とrs-fMRIにより、てんかん焦点検索と脳内ネットワークを同定する。また、侵襲的計測としては、頭蓋内電極を用いた大脳皮質脳波によるてんかん焦点検索と、領域間の皮質脳波の相関を指標に、病態にかかわるネットワークの機能的結合性の変容を解明する。侵襲的計測で同定された脳内ネットワークの分布および動的な変容と照合して、MEG、 rs-fMRIによる機能的結合性の妥当性と意義を検証する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「難治性部分てんかん」にかかわるネットワークの統合的研究を目指す本研究で、その対象となる外科治療適応症例は、相当程度確保できていると考えている。 実際に非侵襲的に行われた脳磁図の空間フィルター解析法での記録・解析は順調に進んでいるが、これと対比するべきmodalityでの解析において、困難さを感じている。具体的には、慢性電極留置中もしくは覚醒下手術時に侵襲的に同定された「てんかん焦点」と脳内ネットワークを各領域間の大脳皮質脳波の相関を見る解析が、膨大なデータ量に比して、解析コンピューターとソフトが不十分であるために遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
代わりのmodalityとして、「難治性部分てんかんのネットワーク動態の可視化と評価法の確立」のために、通常の術前評価で行われた中で、FDG-PETを用いることを既に試している。正常被検者によるデータベースを基準に、空間的な統計解析を行った画像との一致性や相関を見ることで、非侵襲的計測として解析しているMEG空間フィルター法(sLORETA)の妥当性を示すことができている。 そのため、引き続き、同解析法での症例の蓄積をおこなうとともに、新規コンピューターの導入を行なって、大脳皮質脳波の相関の解析に当たり、rs-fMRIによってもてんかん焦点検索と脳内ネットワークを同定する試みをすすめる。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
解析の高速化を図るための投資とともに、侵襲的に得られた皮質脳波のデータ解析に関して、より適した解析法を模索するために、研究成果を国内外の学会で発表して、同時に知見を集めることを検討していく。
|
-
[Journal Article] Anterior temporal lobe white matter abnormal signal (ATLAS) as an indicator of seizure focus laterality in temporal lobe epilepsy: comparison of double inversion recovery, FLAIR and T2W MR imaging2013
Author(s)
Morimoto, E. Kanagaki, M. Okada, T. Yamamoto, A. Mori, N. Matsumoto, R. Ikeda, A. Mikuni, N. Kunieda, T. Paul, D. Miyamoto, S. Takahashi, R. Togashi, K.
-
Journal Title
Eur Radiol
Volume: 23
Pages: 3-11
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Intraoperative monitoring of perisylvian language network by means of cortico-cortical evoked potentials.2012
Author(s)
Yamao Y, Matsumoto R, Kunieda T, Arakawa Y, Shibata S, Kikuchi T, Sawamoto N, Mikuni N, Takahashi R, Ikeda A, Fukuyama H, Miyamoto S
Organizer
Neuroscience 2012,Society for Neuroscience (SfN) 42nd Annual meeting
Place of Presentation
New Orleans, LA, USA
Year and Date
20121013-20121017
-
-
-
[Presentation] Intraoperative monitoring of perisylvian language network bymeans of cortico-cortical evoked potentials.2012
Author(s)
Yamao Y, Matsumoto R, Kunieda T, Arakawa Y, Shibata S, Kikuchi T, Sawamoto S, Takahashi R, Ikeda A, Fukuyama H, Miyamoto S
Organizer
第35回日本神経科学大会(Neuro2012)
Place of Presentation
名古屋
Year and Date
20120918-20120921
-
-