2013 Fiscal Year Research-status Report
脳磁図と機能的MRIを用いた脳内ネットワーク変容の解析:難治性てんかんの病態解明
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24592159
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
國枝 武治 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60609931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 理器 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00378754)
松橋 眞生 京都大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (40456885)
宮本 享 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70239440)
澤本 伸克 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90397547)
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Keywords | てんかん / ネットワーク / 脳磁図 / fMRI |
Research Abstract |
「難治性部分てんかん」にかかわるネットワークの統合的研究として非侵襲的検査で想定されたてんかん原性焦点とその領域間連関に焦点をあてる。また、術前評価のために頭蓋内電極の慢性留置か覚醒下手術中記録が必要と考えられる患者を対象とする。てんかん原性に関連するネットワークを非侵襲的にMEG空間フィルター解析法とrs-fMRIの手法で同定して、慢性電極留置中もしくは覚醒下手術時に侵襲的に同定されたてんかん焦点と脳内ネットワークを各領域間の大脳皮質脳波の相関を指標に評価して、病態にかかわるネットワークの動的変容を明らかにする。MEG空間フィルター解析法とrs-fMRIの妥当性と臨床的意義を、ネットワークの分布とその変容の観点から侵襲記録の結果と比較し検証する。「難治性部分てんかんのネットワーク動態の可視化と評価法の確立」のために、外科的適応のある難治性部分てんかんで、電極埋め込みや覚醒下手術が必要かつ可能な患者で、本研究計画に同意が得られたものを対象とする。術前に、通常の術前評価(頭皮上脳波・MRI・PET・SPECT)に加えて、rs-fMRI、MEG の記録を行なう。非侵襲的計測として、MEG空間フィルター法(sLORETA)による解析とrs-fMRIにより、てんかん焦点検索と脳内ネットワークを同定する。また、侵襲的計測としては、頭蓋内電極を用いた大脳皮質脳波によるてんかん焦点検索と、領域間の皮質脳波の相関を指標に、病態にかかわるネットワークの機能的結合性の変容を解明する。侵襲的計測で同定された脳内ネットワークの分布および動的な変容と照合して、MEG、 rs-fMRIによる機能的結合性の妥当性と意義を検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「難治性部分てんかん」にかかわるネットワークの統合的研究を目指す本研究で、その対象となる外科治療適応症例は、相当程度確保できており、実際に非侵襲的に行われた脳磁図の空間フィルター解析法での記録・解析は順調に進み、これと対比するべきmodalityでの解析に注力している。具体的には、FDG-PETを用いることで、脳磁図での結果を検証することに成功して、学会発表を行って論文化中である。侵襲的手法で同定された「てんかん焦点」と脳内ネットワークを各領域間の大脳皮質脳波の相関を見る解析は、その膨大なデータ量に解析に時間を要しているが、鋭意進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに症例数をふやすべく、正常被検者によるデータベースを新規導入されたPET機器に応じて確立する準備を初めており、引き続き、同解析法での症例の蓄積をおこなう。解析ハード・ソフトの充実を図り、大脳皮質脳波の相関の解析に当たり、rs-fMRIによっても脳内ネットワークを同定する試みをすすめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
一部しか論文ができておらず、これに見込んだ人件費・謝金が残っており、論文化が進むであろう次年度に繰り越す。 症例数をふやすべく、正常被検者によるデータベースを新規導入されたPET機器に応じて確立する準備を初めており、これに人件費・謝金が必要になる。次年度分と合わせて、解析ハード・ソフトの充実を図り、大脳皮質脳波の相関の解析に当たり、rs-fMRIによっても脳内ネットワークを同定する試みをすすめて、論文化を目指す。
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[Journal Article] Intraoperative dorsal language network mapping by using single-pulse electrical stimulation2014
Author(s)
Yukihiro Yamao, Riki Matsumoto, Takeharu Kunieda, Yoshiki Arakawa, Katsuya Kobayashi, Kiyohide Usami, Sumiya Shibata, Takayuki Kikuchi, Nobukatsu Sawamoto, Nobuhiro Mikuni, Akio Ikeda, Hidenao Fukuyama and Susumu Miyamoto
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Journal Title
Human Brain Map
Volume: in press
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Long-term seizure outcome following resective surgery for epilepsy: to be or not to be completely cured?2013
Author(s)
Kunieda, T., N. Mikuni, S. Shibata, R. Inano, Y. Yamao, T. Kikuchi, R. Matsumoto, J. Takahashi, A. Ikeda, H. Fukuyama and S. Miyamoto
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Journal Title
Neurol Med Chir (Tokyo)
Volume: 53
Pages: 805-813
Peer Reviewed
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